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星河の覇皇
第八十五部第四章 メキシコの思惑その五十六

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「他の職業以上にな」
「法の番人だけあって」
「それで、ですね」
「それだけに」
「左様ですね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「倫理観がないならな」
「例え有能でも」
「それでもですね」
「警官になってはいけないですね」
「決して」
「そう考える」
 ガラサとしてはだ。
「強くな」
「左様ですね」
「まずは、ですね」
「警官としては」
「何が大事かですね」
「まず倫理観だ」 
 能力も大事だがというのだ。
「まことにこれがないとな」
「警官になってはいけないですね」
「絶対に」
「ハイドリヒやフーシェを見てもわかる様に」
「左様ですね」
「そのことを思う、ただこうした人間はそうはいない」
 ハイドリヒやフーシェの様な人間はというのだ、彼等の様に倫理観が極めて希薄少なくとも政治的
にはそうである人物はだ。
「流石にな」
「確かにそうですね」
「倫理観のない人物というのも」
「まずいませんね」
「世の中には」
「サイコパスというが」
 俗にだ、この時代でも言われている。
「これはもうだ」
「精神的な病ですね」
「そう言っていいですね」
「そういったものですね」
「実際に非常に稀だ」
 サイコパスと言われる様な人物はというのだ。
「私は今倫理観がないという意味で言っているが」
「それもサイコパスとされますね」
「時として」
「精神医学的には」
「フーシェは割り切っていた様だが」
 教師としては高潔だった、革命の時代政治に携わって生きるにはそうするしかないと考えていたというのだ。
「だがな」
「ハイドリヒについては」
「もうですね」
「そうした考えがある」
 実際にというのだ。
「だから言う、だがな」
「彼の様な人物もですね」
「実はいないですね」
「そうですね」
「そうそうは」
「あのナチスでもだ」 
 悪名高きこの政党でもというのだ。
「ハイドリヒは嫌われていたな」
「そうでしたね」
「食事の時同席を避ける者すらいました」
「上官のヒムラーでもでした」
「彼を嫌っていました」
「そうでした」
「彼に友人はいなかった」
 友情というものを理解していなかったという言葉通りにだ。
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