まるめこむ姉
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く見つかる予定じゃなかったから、ノエル探しにいってきまーすなんて軽く言わなきゃよかった。でも村を出る理由としては一番手ごろだったのよ…。今更後悔しても遅いけど。
でもこの子、こんな真剣に考え込むってことは、そんなに早く村に帰りたいのかなぁ。うーん…姉としての良心が痛むわね…。
「…はやく帰りたい?」
あたしは思わず聞いてしまった。
ノエルはあたしを見て一瞬考え込むと、予想外にも笑顔で首を振った。
「姉さんに会えたから、ゆっくりでもいいよ」
なんっ…天使のような子だわ!
しかし渡りに船とはこのこと!
「…男に二言はないわね?」
その言葉に飛びつきたい気持ちを押さえて、ノエルを怯えさせちゃいけないとあたしは極めて冷静を装って言った。
「…う、うん」
「本当ね」
ぐぐいとあたしはノエルに顔を近づけて言った。
「ね、姉さん、近いよ…」
「ほ、ん、と、う、ね」
「う、ん」
「あー愛してるノエル!」
「うわぁ!?」
あたしはノエルが頷いたか頷かないかのうちに、感情の赴くまま飛びついた。
ほそっこいノエルはあたしを支えきれずに、そのまま後ろ向きに倒れる。
「あんたはホント姉さん思いのいい子ね。優しすぎて涙出ちゃう。それなら一年ぐらいかけてゆっくり行きましょ」
「姉さ、姉さん、どい、どいて…一年!?」
「あーもう本当に良い子。よしよーし」
「いちねん!?」
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