第七百三十三話 フクロオオカミその七
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黒と黄色の縞模様の狼の様な外見の生きものを観てだ、上等兵は言った。
「フクロオオカミですね」
「銀河語や英語ではタスマニアタイガーと呼ぶな」
「この生きものもやはり」
「有袋類だ」
「そうですね」
「地球では長い間絶滅したのではないかとだ」
その様にというのだ。
「言われていた」
「実際には」
「僅かながら棲息していた」
そうだったというのだ。
「しかしな、元々棲息地域が狭くてだ」
「そうでしたか」
「タスマニア島位にしかおらず」
それがタスマニアタイガーという語源にもなっている。
「乱獲されてな」
「よくある話ですね」
「家畜の脅威になるとみなされてな」
「それで、ですね」
「個体数を大きく減らしてだ」
そうしてというのだ。
「その結果だ」
「絶滅したとさえですね」
「言われていてな」
それでというのだ。
「目撃例はあってもな」
「個体自体は捕獲されず」
「絶滅説がだ」
「存在していましたか」
「そうだったのだ」
「そうでしたか」
「だが長い時間をかけてな」
そうしてというのだ。
「個体が捕獲されてだ」
「そしてですか」
「他の星では棲息していることがだ」
「確認されていますね」
「そしてこうしてだ」
「動物園にもいますね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「この通りな」
「そうなのですね」
「そしてこの生きものも人気がある」
「連合では」
「オーストラリアでは特にな」
「有袋類の代名詞の様な国なので」
「有袋類は多くの星に棲息していてだ」
銀河系の中ではというのだ。
「それと共に多くの国にだ」
「棲息していますね」
「アメリカや中国の様な大国ならだ」
多くの星を領有しているというのだ。
「多くの生きものが自然のまま棲息していてな」
「その中には有袋類もですね」
「棲息しているがな」
それと共にというのだ。
「連合では有袋類となるとな」
「やはりオーストラリアですね」
「そうなるからな」
だからだというのだ。
「フクロオオカミもオーストラリアでもだ」
「人気があるのですね」
「そうなのだ、しかしどうもだ」
大尉はフクオオカミ身体の模様は兎も角そのシルエットは狼に見えるこの生きものを観つつさらに言った。
「有袋類にはな」
「観えないですね」
「カンガルーの様にはっきりと見えないからな」
「その袋が」
子供を収めるそれがというのだ。
「四本足で歩くとな」
「どうしてもですね」
「腹は下を向いてだ」
そうなってというのだ。
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