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神々の塔
第五十二話 名前その六

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「それでや」
「今も続いてはるね」
「即ち山の民の人達はな」
「今もルーツは残ってるね」
「日本にな」
 起きた世界のというのだ。
「そうなってるわ」
「そやね、そして」
「何でもな」
「日本の何処かにまだいてはるね」
「こっちの世界でもそやけどな」
 芥川はこう前置きして話した。
「起きた世界でも日本は山国やしな」
「島国でもあって」
「しかもその国土の殆どがや」
 それこそというのだ。
「山でな」
「森やね」
「そんなところやからな」
「誰が何処におるか」
「空から見てもな」
「グーグルとかやとわかるけど」
「そうしたもんでないとな」
 さもないと、というのだ。
「わからへんからな」
「それにグーグルでも」
 綾乃はこれで空からもっと言えば宇宙から見てもと言った。
「森の木々に隠れてたら」
「見付けにくいな」
「そうやしね」
「それでやな」
「もうほんまに」
 それこそというのだ。
「山の民の人等見付けるのは」
「難しいな」
「あの人等については」
「そやねんな」
「うちが思うに。ただ」
 ここで綾乃はこうも言った。
「うち等にあの人等の血流れてるかもね」
「それはな」
 芥川も否定しなかった。
「真田家みたいな人等もおるし」
「そう考えたらね」
「有り得るな」
「そやね、何でもまつろわぬ民って呼ばれた人等も」
 古事記や日本書記においてだ、朝廷の敵とされて神話の中ではあやかしの様に書かれ降されている。
「鬼とか土蜘蛛も」
「そうした人等やったってな」
「言われてるし」
「それでその人等をな」
「大和朝廷は降して」
 このことも神話に書かれている。
「入れていってたしね」
「そやな、日本神話を読むと」
 リーも言ってきた。
「敵は降してな」
「受け入れていってるね」
 綾乃はそのリーにも応えた。
「それで民にしていってるわ」
「そやな」
「滅ぼすんやなくて」
「倒して降してな」
「受け入れてるわ」
「日本は敵を滅ぼさんで」
 そうせずというのだ。
「組み入れてるな」
「それでその中で婚姻も結んで」
「混血もしてくな」
「それでアイヌの人達ともやし」
「そういえば」
 ここでシェリルは言った。
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