第五十二話 名前その四
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「例えば千歳ちゃんはな」
「その北海道の星の娘やな」
「あの娘はアットゥシを着てるけどな」
アイヌの民族衣装をというのだ。
「あれはあの娘がや」
「アイヌの血も引いてるからやな」
「日本人は混血に偏見がないやろ」
「かなりな」
施もそれはと返した。
「言われてみれば」
「そやろ」
「さっき話に出たけど元々縄文人と弥生人の混血やな」
「そこからはじまってな」
「山の民とか蝦夷とかいう人等ともか」
「結婚してな」
事実明治政府は所謂それまでの日本人とアイヌ人の結婚を認めている、それにより混血が進んだことも事実だ。
「そしてな」
「取り込んでいったんやな」
「それで真田家もな」
「そこに入ったか」
「そういうことや」
「成程な」
「道理でな」
羅は納得した様に言った。
「真田家に十勇士の人等が家臣になった筈や」
「幸村さんにな」
「十勇士は忍者でもな」
「かなり異色やな」
「伊賀や甲賀、風魔とまた違った」
「独特の忍者やな」
「ほなあの人等もな」
リーに対して話した。
「山の民の血が強かったんやな」
「この世界やと神霊、起きた世界やと講談の人等でな」
「起きた世界やと創作やな」
「けどモデルになった人達はおって」
「その人等がひょっとしたらやな」
「真田家と同じな」
まさにというのだ。
「山の民の流れを汲む人達やったかも知れんな」
「そういうことか」
「何か真田家って異色なのよね」
アレンカールも思うことだった。
「他の戦国時代の大名や武将の人達と比べると」
「そやな」
「強くて頭がええけど」
「それがな」
「ほんまね」
「色がちゃうな」
「代々ね」
幸村に限らずというのだ。
「そう感じていたけど」
「そういう事情があったんや」
「ルーツが山の民ってことが」
「そや、そしてな」
それでというのだ。
「あの人は忍の色彩も強くて独自の戦をしたんや」
「そういうことね」
「ああ、ただ最後の戦ぶりは」
大坂夏の陣でのそれはというのだ、徳川家康の本陣に向けて突撃し家康の馬印を倒したその奮闘はというのだ。
「武士や」
「それやね」
「まことの武士の戦ぶりやとな」
「言ってええわね」
「そして何とか秀頼さんを連れて」
大坂夏の陣の最後にというのだ。
「息子の大助さんと十勇士の人達と一緒にや」
「薩摩藩まで落ち延びて」
「そこで生涯を終えたんや」
「そうよね」
「このお話確か伝説やったな」
シェリルはこの真田幸村そして豊臣秀頼の生存説についてこんなことを言った。
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