第五十二話 名前その三
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「まだな」
「いてはるんやな」
「そうみたいや」
「日本のどっかに」
「山にな」
「ほな何処か」
「そこまではわからんかった」
リーにしてもというのだ。
「そやけどな」
「いてはるか」
「それは間違いないみたいや」
「そやねんな」
「何かな」
中里も話に入ってきた。
「僕はもう平地に入って」
「都会とか農村にやな」
「そうした生活習慣の人達はな」
「日本にはおらん様になったとやな」
「聞いてたけどな」
「私も最初はそう思ってた」
リーは中里にも真剣な顔で話した。
「実はな」
「そやってんな」
「そやけどな」
それがというのだ。
「どうもな」
「僅かでもやな」
「まだいてはるみたいな」
「そうなんか」
「山の民な」
トウェインは彼等の話を聞いて考えた。
「最初はそんな人等がおるとは思わんかったわ」
「日本にやな」
「ああ、全くな」
こうリーに述べた。
「ほんまな」
「そやったな」
「まあアメリカでもな」
「山、森に住んでる人等はいてはるな」
「樵さんとか猟師さんとかな、そして」
トウェインはさらに話した。
「ネイティブの人等でな」
「いてはるな」
「カナダでもな」
「そやな」
「今は居留地にいてはるけどな」
ネイティブアメリカンかつてはインディアンと呼ばれた人達はというのだ、何故そこに居住しているのかもアメリカの歴史の一部である。
「そうした人等もな」
「アメリカにもいてはるな」
「ああ」
「しかし四つの姓の人等だけやないか」
メルヴィルは考える顔になって言ってきた。
「日本は」
「俗にそう言われててもな」
「山の民の人等かておるか」
「あと蝦夷やな」
リーはこう呼ばれる人達のことも話した。
「東の方の」
「阿弖流為さんとかやな」
「そや、アイヌの人等に近いか」
「まさにアイヌの人達やな」
「そや、北海道を蝦夷とも呼ぶが」
これは生きものの名前に出ている、本土の栗鼠がホンドリスであり北海道の亜種がエゾリスと呼ばれている様にだ。
「まさにな」
「アイヌの人達は蝦夷やったな」
「そやったわ」
「つまり四つの姓の中に」
日本のとだ、施は言った。
「日本人は取り込んでいったんか」
「混血してな」
そうしていってとだ、リーは話した。
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