第百十二話 二つの祭りその六
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「他の病気もな」
「怖いのよね」
「シューベルトさん梅毒で死んだんだぞ」
ますや魔王で知られるこの作曲家はというのだ。
「チフスじゃなくてな」
「何か水銀使った治療してて」
「その中毒で死んだんだよ」
「まだ三十かその辺りでね」
「身体が腐って鼻が落ちて耳が聞こえなくなって頭がおかしくなるんだ」
実際にこうした症状に襲われる。
「そうして死ぬからな」
「怖いわね」
「今は薬あるけれどな」
抗生物質、それがだ。
「けれどな」
「死ぬ病気だから」
「最初からな」
「罹らないことね」
「だからな」
いざという時に備えてというのだ。
「俺も持ってるんだよ」
「そうなのね」
「そしていざとなれば」
その時はというのだ。
「使うよ」
「そうするのね」
「ああ」
まさにというのだ。
「俺もな」
「そういうことね」
「というか持ってると駄目かっていうとな」
「違うのよね」
「むしろ持ってないとな」
「不用心よね」
「俺達位の歳だとな」
それこそというのだ。
「俺はそんなつもりなくてもな」
「何時どうなるかわからないから」
「本当に用心でな」
それでというのだ。
「誰でも持ってないとな」
「駄目なものね」
「持っていて」
そうしてというのだ。
「使い方もな」
「知ってないとね」
「何か変な先生がな」
日本は非常におかしな教師が多い、そして訳のわからないことを生徒に言っておかしな方向にやってしまうのだ。
「持つなとかな」
「使い方も勉強するなとか」
「言うみたいだけれどな」
「先生でもね」
「おかしなこと言ってるとな」
「聞いたら駄目ね」
「仕事じゃなくてだよ」
その人の職業で判断せずにというのだ。
「その人を見てな」
「お話を聞くかどうかね」
「決めないとな」
「そうよね、それでね」
「ゴムだってな」
こちらもというのだ。
「俺も持っててな」
「使い方もわかってるのね」
「ああ、ただな」
それでもとだ、成海はかな恵に言った。
「使ったことはな」
「成海っちないのね」
「ああ」
かな恵にすぐに答えた。
「俺はな」
「そうなのね」
「それかな恵だよ」
「成海っちがないのにどうして私があるのよ」
彼女としてはっきりとした声で貸した。
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