第百十二話 二つの祭りその一
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第百十二話 二つの祭り
成海はかな恵に一緒に昼食を食べている時に言った。
「運動会はそのままでな」
「クラスで出てよね」
「選手としてはな、ただな」
「文化祭は掛け持ちね」
「クラスの方もやってな」
そうしてというのだ。
「部活の方でもな」
「やるのね」
「そうなんだよ」
弁当、かな恵が作ったそれを食べつつ言った。
「俺は」
「忙しいみたいね、文化祭は」
「ああ、何かラグビー部はな」
成海は部活のことを話した。
「毎年喫茶店らしいんだよ」
「そうなのね」
「ああ、普通のな」
「メイド喫茶とかじゃないの」
「それだと女装になるだろ」
「男子ばかりだから」
「うち伝統的に真面目なカラーだから」
それ故にというのだ。
「そうしたことしないんだよ」
「そうなのね」
「だからな」
その為にというのだ。
「真面目にな」
「喫茶店するのね」
「イギリス風のな」
「ああ、ラグビーってね」
かな恵はイギリス風と聞いて言った。
「そもそもね」
「イギリスからだろ」
「イギリスのラグビー校で生まれたのよね」
「サッカーの時にな」
このスポーツの試合でというのだ。
「ある人がボール抱えてゴールして」
「それでよね」
「そこからラグビーが生まれたんだよ」
「そうなのよね」
「だからな」
それでというのだ。
「イギリス風のな」
「喫茶店なのね」
「そうなんだよ」
「毎年そうなのね」
「ああ、真面目に服も着てな」
「服はどんなのなの?」
「喫茶店のだよ」
まさにそれだというのだ。
「ウェイターさんの」
「あれね」
「あの服を着てな」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「やるのね」
「そうなんだよ」
「本当に真面目ね」
「そうだろ、練習だってな」
この時もというのだ。
「真面目だしな」
「ラグビー部は」
「暴力もな」
これもというのだ。
「ないしな」
「それはいいことだけれど」
「普通だよな」
「そうよね」
「教師が何かあればな」
それこそ極端なことを言えば気分次第でというのだ、それで暴力を振るう教師も存在しているのだ。
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