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星河の覇皇
第八十五部第四章 メキシコの思惑その五十四

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「だからですね」
「それで、ですね」
「任命されないですね」
「何があっても」
「警察長官には」
「警察という組織自体にだ」
 長官に任じられるどころかというのだ。
「やはりな」
「どうしてもですね」
「用いられない」
「野心家で己の為に警察を悪用もする」
「そうした人物なので」
「そうだ、フーシェは怪物だった」
 フランス革命の中の革命家の一人でありナポレンの下で警察大臣を務めた人物だ。最初は教師であった。
「タレーランと並んでな」
「知力は凄かったですね」
「そして政治力も」
「どちらもナポレオン以上でした」
「そうだ、ナポレオン以上の知力と政治力を持ちだ」
 そしてというのだ。
「政治的倫理観は皆無だった」
「謀略に極めて長け」
「野心もあった」
「そして保身の術も備えていた」
「非常に厄介でしたね」
「まさに怪物だった」
 それがフーシェだったというのだ。
「だからだ」
「そのフーシェを警察に入れると」
「それこそですね」
「警察自体が危険ですね」
「そうなりますね」
「フーシェは教師でいればよかった」
 平時はというのだ。
「それならな」
「左様ですね」
「教師としては高潔だったそうです」
「そうですね」
「あの人物は」
「だからだ」
 それでというのだ。
「フーシェもでだ」
「ハイドリヒもですね」
「左様ですね」
「あの人物もですね」
「用いるべきでないですね」
「そうですね」
「冷酷で残忍な人物だった」
 そして好色だったという。
「しかも野心もな」
「非常にでしたね」
「強かったですね」
「ヒトラーの後釜を狙っていたとか」
「そう言われていますね」
「若しだ」
 ガラサはさらに話した。
「ナチスが生き残りだ」
「欧州の覇権を握り」
「そうしてですね」
「あの人種主義の強い社会主義政権が続けば」
「その時はですね」
「そして彼が生き残っていれば」
 ハイドリヒ、彼がというのだ。
「暗殺されずにな」
「恐ろしいことになっていましたね」
「彼が総統になり」
「そうしてですね」
「彼が欧州の覇者となっていたドイツに君臨し」
「恐るべき統治を行っていましたね」
「冷徹かつ残忍だ」  
 ハイドリヒの本質はというのだ、実際に忠誠心や友情を理解しないと彼の上官であるヒムラー等に言われていた。
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