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星河の覇皇
第八十五部第四章 メキシコの思惑その五十三

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「日本の連合艦隊司令長官に任じられてな」
「そして日本を勝利に導いた」
「左様でしたね」
「あの東郷ターンも采配ミスとの説がありますが」
 敵前での大回頭だ、ここから丁字砲火に移りそうして日本海海戦は日本の一方的な勝利に終わったのだ。
「そのミスもです」
「敵に付け込まれませんでした」
「そう思うとです」
「これも運がよかったですね」
「この様にな」
 東郷平八郎を見てもというのだ。
「やはりな」
「運は重要ですね」
「その強弱は」
「左様ですね」
「赴任先で連続殺人事件が起こったりだ」
 その様にというのだ。
「そしてだ」
「それにですね」
「その不可思議な事件に関わったり」
「そうした運のなさは問題である」
「そうなのですね」
「そうだ」
 どうしてもというのだ。
「その不可思議な事件は今だにだ」
「解決していないですか」
「そうなのですか」
「何故そうした事件が起こったかわからない」
「そうなのですね」
「一切な、だからな」
 それでというのだ。
「私は思う」
「その方を警察長官にされるには」
「どうかと思われていますか」
「そうなのですか」
「東郷平八郎を推薦したのは山本権兵衛だった」
 明治帝にそうしたのだ。
「彼のことも知っているな」
「当時の日本海軍を仕切った人物ですね」
「辣腕家だったと聞いています」
「非常に優れた人物であり」
「人事もですね」
「人を見る目もありな」
 優れた政治力に加えてだ、その為海軍大臣である西郷従道に議会でも説明を任されていて権兵衛大臣と言われていた。
「それでだ」
「その運のいいですね」
「東郷平八郎を任じた」
「そうでしたね」
「あの方は」
「そうだった、そして私もだ」
 ガラサもというのだ。
「彼に倣ってな」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「確かな警察長官に頑張ってもらう」
「そうしてもらいますね」
「警察は国の要の一つだからな」
 それだけにというのだ。
「余計にな、だが能力があっても私はハイドリヒはな」
「用いられないですね」
「ああした人物は」
「そうですね」
「フーシェもな」
 彼もというのだ。
「決してだ」
「危険だからですね」
「幾ら優秀でも」
「何をするかわからない」
「だからですね」
「そうだ、危険過ぎる」
 ハイドリヒもフーシェもというのだ。
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