第三百三十話 東へその十二
[8]前話 [2]次話
「ここはな」
「その様にしてですね」
「戦うわ」
こう言うのだった。
「軍を退かせる為にな」
「フェニックスまで」
「そや、フェニックスまで退いて」
アリゾナ州の州都であるこの街までというのだ。
「そこからな」
「軍を立て直して」
「また戦うで」
「だからですね」
「今はな」
「ご主人様が後詰となられ」
「戦うわ、幸いトウェインさんはな」
先程一騎打ちを演じた彼はというと。
「今は空からな」
「軍全体の指揮を執られていて」
「おいら自体には来てへん」
「その采配故のこの激しい攻撃ですが」
怒涛と言っていい、川を渡るのも時間の問題であることがわかるまでだ。航空機に大砲を使ってそうしている。
「しかしですね」
「おいら自身には来てへんからな」
「後詰に回られますね」
「そうするわ」
今はというのだ。
「幸い敵軍はまだ川を渡ってへんしな」
「今のうちですね」
「おいらが後詰に入ってな」
そのうえでというのだ。
「軍を退かせるわ」
「では私も」
「協力してくれるか」
「はい、私はご主人様の神具です」
それ故にというのだ。
「ですから」
「ほなな」
「戦いましょう」
ホワイトバッファローは毅然とした声で言った、そうしてだった。
主を乗せて軍の後詰に入った、丁度軍は撤退の中であり傷付いた者からトラックや馬に乗せられ戦場を退いている。
その彼等にだ、ホイットマンは言った。
「ええか、敵が川を渡る前にや」
「ここを退きますね」
「そうしますね」
「渡られたら終わりや、そしてや」
将兵達に強い声で話した。
「それはや」
「ホイットマン様が防がれる」
「そうしてくれるのですね」
「この度は」
「そうするさかいな」
だからだというのだ。
「ここはな」
「はい、それではです」
「我々は撤退します」
「傷付いた者達からそうします」
「そや、持って行けるもんは持って行くが」
物資の話もした。
「そやけどな」
「それが出来ないならですね」
「諦めて放棄しますね」
「そうしますね」
「勿体ないがものはまた取り返せる」
そう出来るからだというのだ。
「勝てばな、そやからな」
「人を優先させますね」
「撤退には」
「そうさせますね」
「トラックや馬に乗って」
そうして戦場を離脱してというのだ。
「駅まで行ってな」
「列車に乗り」
「そして撤退ですね」
「そうもしますね」
「術も使ってな、兎に角な」
今はというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ