第百三十二話 イベリスその九
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「茸も果物もね」
「全部なのね」
「匂いがきつくても」
そうしたものでもというのだ。
「食べられるわ」
「大蒜とかも」
「果物でもね、ただドリアンは」
有名なこの果物はというのだ、美味だというがその匂いはあまりにも強烈であるが為に有名であるのだ。
「食べたことないけれど」
「無理?」
「多分ね」
「まあドリアンはここにもないから」
「さっき実を見たけれど」
「木もよね、お料理では使われてないのよ」
こう咲に話した。
「何でもあまりにもね」
「匂いがきつくて」
「それでね」
その為にというのだ。
「使われてないのよ」
「流石にドリアンはないのね」
「ええ、ただ他の匂いのきついお野菜や果物は」
「平気よ」
「そうなのね、じゃあね」
「カレーも」
「色々入っているカレーで」
愛は笑顔で話した。
「野菜カレーだと人参、玉葱、茄子、アスパガラガス、トマト、ピーマン、パイナップルってね」
「本当に色々入ってるわね」
「茸もしめじ、舞茸、エリンギ、マッシュルームって」
「そっちも色々なのね」
「色々楽しめるから」
それでというのだ。
「食べてね」
「楽しめるのね」
「野菜カレーも茸カレーもね」
こうしたカレー達もというのだ。
「いいでしょ」
「普通に好きだけれど」
「この植物園のレストランだとね」
「また別格なのね」
「だからね」
笑顔での言葉だった。
「食べましょう」
「それじゃあね」
「ただ量が多いから」
愛はこちらの話もした。
「二人でどっちか頼んで」
「あっ、どっちのカレーも半分こするのね」
「そうして食べる?」
「二人共どっちのカレーも楽しむのね」
「どうかしら」
「いいわね」
これが咲の返事だった。
「それじゃあね」
「そうしましょう」
「それじゃあね」
咲も頷いて応えた。
「一緒にね。カレーっていいわよね」
「カレーは世界よね」
「そこまでの食べものね」
「インドからイギリスに伝わって」
「日本に来て」
「独自の進化を遂げて」
そうしてというのだ。
「今言った通りにね」
「世界になったのね」
「そうよ、そのカレーをね」
「食べるのね」
「お昼はね、それからまた観て回って」
植物園の中をというのだ。
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