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新オズの臆病ライオン
第九幕その十二

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「人も滅多に来ないし」
「それじゃあだね」
「舞踏会なんてね」
「ある筈がないね」
「うん、だからね」
「最初舞踏会に出た時は」
「凄く緊張したよ、他のこともね」
「そうした場所にいたから」
「だからね」 
 それでというのです。
「見たことも聞いたこともない」
「経験したこともない」
「そんなものばかりだったから」
「ドロシーさんも君も」
「緊張することが多かったよ」
 そうだったというのです。
「かつての僕達はね」
「そうだったんだね」
「けれど今はね」 
 どうかとです、トトは神宝にお話しました。
「それがね」
「変わったんだね」
「そうなったよ」
 こう言うのでした。
「何でもね」
「楽しめる様になったんだね」
「そうなったよ」
「そうなんだね」
「今じゃ何でもね」 
 それこそというのです。
「楽しめるよ」
「そして幸せをだね」
「感じられているよ」
「そうなったんだね」
「最初は本当に緊張するよ」
 このことは否定しませんでした。
「誰でもね」
「舞踏会でも」
「そうだけれどね」
 それでもというのです。
「経験していったら」
「緊張もほぐれて」
「好きになれるものは好きになって」
 そうなってというのです。
「そしてね」
「それでなんだ」
「どんどんしていって」
「よくなるんだね」
「そうだよ、だから今日はね」
 さらに言うのでした。
「飲んで食べて」
「ダンスもだね」
「していこうね」
「それじゃあ」
 神宝はトトの言葉に頷きました、それでです。
 五人で踊ることにしましたがそこにかかしそれに樵とのダンスを終えたドロシーが来て五人にこう言いました。
「男の子三人、女の子二人だとね」
「はい、どうしてもです」
「男の子一人あぶれます」
「交代でそうなります」
「皆いつも踊れないです」
「どうしても」
「だから私を入れてくれるかしら」
 五人の中にというのです。
「それだと丁度いいでしょ」
「そうですね、男の子三人に女の子三人です」
「そうなります」
「それだと丁度いいですね」
「一人あぶれません」
「皆いつも踊れます」
「だからね」 
 そうなるからだというのです。
「どうかしら」
「是非お願いします」
「皆いつも一緒に踊りたいですし」
「それにドロシーさんとも踊れるなら」
「それなら最高です」
「そうして下さい」
「それではね」 
 こうしてでした。
 神宝達五人はドロシーも加えて六人で踊りました、そうして舞踏会を心ゆくまで楽しみました。皆この日も楽しめました。
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