第九幕その十
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「全てね」
「神々によるものなんだ」
「人間はどれだけ凄いことが出来ても」
それでもというのです。
「神々と比べたらね」
「小さなものだね」
「オズアもそう言ってるでしょ」
今ドロシーと一緒にお話に出ているオズの国の国家元首であるこの人もというのです。今この人ハエメラルドの都にいます。
「人間はね」
「どれだけ凄いことをしてもだね」
「そしてどんな凄い知識や人格や運動神経を持っていても」
「神々と比べたら」
「そう、神々が見たら」
それならというのです。
「もう本当にね」
「小さなものだね」
「それこそ等しい様な」
「その間ではやたら優劣が見られても」
「神々から見たらよ」
「等しく小さいんだね」
「だからね」
そうしたものだからだというのです。
「私はね」
「偉くも凄くもないんだ」
「オズマもいつもそう言ってるでしょ」
「そうだね」
臆病ライオンもその通りと答えました。
「そのことは」
「だからよ」
「ドロシーは凄くないんだ」
「私はカンサスの農家の娘よ」
自分のことをこう言うのでした。
「一体何処が凄いのよ」
「ううん、その飾らなさがね」
臆病ライオンは微笑んで答えました。
「いいんだよ」
「そうなの」
「ドロシーの魅力の一つだよ」
「そうなのね」
「そう、そして」
それでというのでした。
「今度は僕とね」
「ダンスをなのね」
「踊らない?」
「そういえば今回まだ一緒に踊ってなかったわね」
「そうだしね」
「それじゃあね」
「一緒に踊ろうね」
こうドロシーに言うのでした。
「今から」
「よし、じゃあ僕もね」
「僕もご一緒させてもらうよ」
かかしと樵も言ってきました。
「ドロシーとね」
「そうさせてもらっていいかな」
「是非ね」
ドロシーは二人にも答えました。
「順番でね」
「そうしようね」
「楽しくね」
「そういえばボタンは何処かな」
ふと今もドロシーの傍にいるトトが言いました。
「まさかまた寝て」
「僕ならここにいるよ」
すぐ後ろの席から声がしました、そちらを見ますと。
ボタンはテーブルの上に置かれているご馳走を立ってお皿の上に入れてフォークで食べています、食べているのはミートローフやテリーヌです。
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