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新オズの臆病ライオン
第九幕その九

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「ドロシーさんの最初の旅の時の人達が今は皆揃ってますね」
「そうよね、かかしさんに樵さんにトトもで」
 フラウ王女も言います。
「魔法使いさんもおられて」
「ええ、皆今もお友達よ」
 ドロシーはにこりと笑って答えました。
「あの時からね」
「この人達がいなかったら」
 どうかとです、お人形の女王は思いました。
「オズの九にもどうなっていたか」
「わかりませんね」
 キャンディマンが続きました。
「本当に」
「あの冒険がなかったら」
 ある貴婦人とのダンスを終えてです、臆病ライオンは皆のところに戻ってきてそのうえで会話に参加しました。
「ぼくたちもね」
「どうなっていたかしら」
「全く想像出来ないね」
「そうよね」
「いや、ドロシーが来る前からだよ」
 臆病ライオンはドロシーにお話しました。
「オズの国はあったよ」
「そうよね」
「それもずっと前からね」
「紀元前からよね」
「あったんだ、けれどね」
 それでもというのだ。
「比較的何もないね」
「平和で楽しくても」
「誰も死ななくてもね」
 それでもというのです。
「今みたいに何かとある様な」
「そんな国じゃなかったのよね」
「うん、だから僕もね」 
 臆病ライオンもというのです。
「ただ自分は臆病だって」
「思っていて」
「自分に対して否定的だったんだ」
「そうだったのね」
「ずっとね」
「貴方も変わったのね」
「そうだよ、ドロシーが来てからね」 
 それからというのです。
「そうなったんだよ」
「私が来てなのね」
「そしてオズマが女の子に戻って」 
 ずっと男の子と思われていたのがです。
「それでドロシーがオズの国とカンサスを暫く行き来して」
「遂に私がオズの国に定住して」
「変わっていったよ、今じゃね」
「オズの国は随分動いているわね」
「常にね。そうした国になったのは」
 どうしてかといいますと。
「きっかけはね」
「私なのね」
「若しドロシーが来てくれなかったら」
 オズの国にというのです。
「オズの国もどうなったか」
「わからないのね」
「しかもオズマまで出て来てくれたし」
 この人もというのです。
「二人がね」
「オズの国を変えたのね」
「それも劇的にね」
「そうなったってよく言われるけれど」
 それでもとです、ドロシーは答えました。
「私としてはね」
「自覚はないんだね」
「私がオズの国に来たのもオズマが出て来たのもね」
 お二人がそうなったのもというのです。
「全て運命で」
「キリスト教の神様とオズの国の神々のお導きだね」
「そうだと思うわ。オズの国がどんどん変わる様になったのも」 
 このこともというのです。
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