第五十一話 決着その九
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「わかった、確かにな」
「剣が俺達の頭の中に直接教えてくれたな」
「間違いなくな、それならだ」
「もう何の憂いもない、行くぞ」
「姫様を救いにな」
「そうするぞ」
こう話してそうしてだった。
二人は飛んだ、そして。
東京タワーの頂上に達した、するとそこから暗黒の世界に入った。するとそこに普段とは顔の相が全く違うドス黒い雰囲気の丁がいて。
本来の丁の声がだ、二人に言ってきた。
「ここがです」
「もう一人の姫様がいる場所か」
「そしてあの人こそが」
「もう一人の私です」
こう二人に答えたのだった。
「他ならぬ」
「そうだな、ではな」
「今から封じます」
神威と封真は二人で丁に話した。
「安心して下さい」
「必ずそうする」
「倒す方が楽ですが」
「言った筈だ、姫様も仲間だ」
神威は毅然として答えた。
「そうならだ」
「助けてくれるのですか」
「そうする、そして生きていてくれ」
こうも言ったのだった。
「夢見の役目が苦しいならだ」
「そのことも気付いていましたか」
「人や世界の運命を見る中で暗いものを見ることは辛い」
このことを言うのだった。
「それならな」
「わらわの夢見の仕事も」
「重く辛いものだ」
まさにというのだ。
「だからな」
「それで、ですか」
「これからは何でも言ってくれ」
こう言うのだった。
「俺にも誰にもな」
「天の龍の方々に」
「玳透も聞いてくれる筈だ」
いつも丁の傍にいる彼もというのだ。
「慕っているからな、そして緋炎さんと蒼氷さんもな」
「わらわの身の回りの世話をしてくれる」
「皆いる、姫様も一人じゃない」
「だからですか」
「支えさせてくれ」
これが神威の言いたいことだった。
「話を聞くだけかも知れないが」
「それでもですか」
「辛いなら頼ってくれ」
これからはというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ですか」
「生きてくれ、その為にもだ」
「これよりですか」
「もう一人の姫様を封じて動けなくしてだ」
そうしてというのだ。
「人間も世界も護り」
「わらわもですね」
「護る、その為に今から戦う」
毅然としてだ、そして言ったのだった。
「封真と二人でな」
「俺は仲間ではないですが気持ちは同じです」
封真も丁に話した、それも優しい笑顔で。
「神威と」
「だからですか」
「今から神威と戦います」
「そうしてくれますか。まさかです」
丁は自分の場所から目を閉じて話した。
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