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第五十一話 決着その四

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「姫様もです」
「希望を持てと」
「そうです、ご期待下さい」
 神威にというのだ。
「そのうえで」
「ここで見守ればいいのですね」
「夢見で何か見えますか」
「いえ」
 首を静かに横に振って答えた。
「今は何も」
「そうですか」
「これまで観たのは絶望の夢ばかりで」
「それで、ですか」
「もう一人のわらわも成長し」
 そうしてというのだ。
「今に至りましたが」
「絶望が、ですか」
「負の感情がもう一人のわらわを育てましたが」
 それでもというのだ。
「それがですか」
「希望はあります、そしてその希望が今」
「神威にありますか」
「あいつならやってくれます」 
 神威ならというのだ。
「きっと、ですから」
「それで、ですね」
「待ちましょう」
「わらわが救われることを」
「そうです」 
 まさにというのだ。
「必ず」
「そこまで言うなら」
「待ってくれますね」
「ここで、そして」
 丁はさらに話した。
「ここに神威が帰ってきたら」
「その時はですか」
「お礼を言わせて頂きます」
「そうしますか」
「必ず」
 こう答えた。
「わらわも」
「それでは」
「これからは希望を持って」
「戦いをご覧になられますか」
「戦いが終わっても」
 こう玳透に答えた。
「そうしていきます」
「それでは」
「笑えますね」
 ここでだ、丁は。
 微笑んだ、そのうえで言った。
「希望を持ちますと」
「素敵なお顔です」
「これ以上はないまでに」
 緋炎と蒼氷は丁の今の顔を見てそれぞれ言った。
「願わくばこのままです」
「笑っていて下さい」
「そうですか、では」
「希望を持ちましょう」
「これからも」
「そうしていきます」
 二人にも約束した、そうして天の龍と地の龍の最後の戦いそしてその後のもう一人の自分との戦いも見ることにした。
 血の龍の者達はもう寝入っていた、そのうえで夢の中で集まり話していた。
 まずは牙暁がだ、ゆっくりと語りはじめた。
「大丈夫だよ、彼は」
「封真は」
「死ぬことはないよ」
 庚に微笑んで話した。
「彼のことは夢で見ていないけれど」
「それでもなのね」
「まだ何も決まっていなくても」 
 それでもというのだ。
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