第五十一話 決着その三
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「そしてです」
「姫様もね」
「そうだったのです」
火煉に対して答えた。
「つまりは」
「そしてその裏、悪の姫様が人間も世界も滅ぼそうとしている」
嵐は眉を曇らせて述べた。
「そうですか」
「そうです、そして僕達はです」
「神威が地の龍との闘いに勝って」
「そのうえであの方とどうなるか」
「観るのですね」
「今ここで、ですがきっとです」
征一狼は微笑んで述べた。
「神威君はです」
「勝ってですね」
「地の龍との戦いを終わらせて」
「もう一人の姫様もですね」
「封じてくれて」
そうしてというのだ。
「護ってくれます」
「そうですね、神威ならです」
これまでの彼を見てだ、嵐も答えた。
「大丈夫です」
「僕達はここで見守りましょう」
「わかりました」
「神威には負担かけるけどな」
それでもとだ、空汰は少し苦笑いになって述べた。
「そやけどな」
「ここはね」
「あいつに任せるしかなくなってるからな」
それだけにというのだ。
「ここで見守ろうな」
「それではね」
「ああ、最後の最後で最大の正念場や」
空汰は東京タワーの方を見て話した。
「じっくり観ような」
「彼の最後の戦いを」
「そしてわい等の運命がどうなるかもな」
「観るのね」
「そうしような」
「是非ね」
こう話してだった。
天の龍達は見守ることにした、玳透は彼等のところから丁のところに行きそのうえで彼等のことを微笑んで話した。
だが丁はそう言われても暗い顔で言うのだった。
「ですがわらわは」
「もう一人のですか」
「わらわのことを知っていますので」
それ故にというのだ。
「もうです」
「ご自身がですか」
「刃があれば」
自分の傍にというのだ。
「それを力で喉に刺して」
「そうお考えと思い」
「置いていません」
緋炎と蒼氷が答えた。
「我々の務めは姫様のお世話です」
「そしてお護りもしています」
「だからです」
「最初から置いていませんでした」
「こうなる前から」
「姫様が憂いておられるのを見て」
「そうでしたか。ですが」
丁はそれでもと述べた。
「わらわが死なねば」
「いえ、大丈夫です」
玳透は今度は確かな顔と声で答えた。
「神威ならです」
「わらわを救ってくれますか」
「人間を護って」
そうしてというのだ。
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