序章〜旧市街の裏解決屋(スプリガン)〜 第1話
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南カルバード両州きっての名門校、”アラミス高等学校”……その学生寮に住んでいる一年って所か。」
「よくご存じですね……あっ、制服で、ですか?」
自己紹介を始めたアニエスだったが、ヴァンが自分の通っている高等学校を言い当てた事に驚いた後自分が制服姿である事を思い出してヴァンに訊ねた。
「まっ、旧首都に住んでりゃどうしたってその制服は目立つ。一年ってのはただのカンだ。発育はともかくスレてなさそうだしな。」
「発っ……」
(……………………)
ヴァンは制服越しでも明らかに膨らんでいてわかるアニエスの豊満な胸に一瞬視線を向けた後アニエスに自分の推測を答え、ヴァンのからかいを込めた推測を聞いたアニエスは思わず頬を赤らめ、アニエスの身体の中にいるメイヴィスレインは顔に青筋を立てて黙ってヴァンを睨んでいた。
「ヴァンだ。ヴァン・アークライド。どういうツテでここに辿り着いたかは知らんが……"4spg"を知ってるってことは俺の肩書きが何かも知っている筈だな?」
「……はい。警察にも、遊撃士協会にも相談しにくい事を引き受けてもらえるという”請負人”……『裏解決屋』――――――そう呼ばれていると伺っています。」
真剣な表情を浮かべたヴァンの確認に対してアニエスは表情を引き締めて答えた。
「半分アタリで、半分ハズレだ。”相談しにくい事”だけじゃねぇ。”相談できない事”を引き受ける時もある。非合法スレスレのグレーな稼業……そういう人種ってのはわかってるのか?」
「っ………わかっている、つもりです。」
ヴァンの確認に一瞬息を呑んだアニエスはすぐに気を取り直して答えた。
「まあいい。まずは話すだけは話してみたらどうだ?引き受ける約束はできないが。」
「!はい……!それでは――――――」
ヴァンに促されたアニエスはザイファを取り出して操作を始め
「おいおい、最新式かよ。まさか学校の備品とか言わねえよな?」
ヴァンは学生であるアニエスが戦術オーブメントの最新式を取り出した事に若干驚いた様子でアニエスに訊ねた。
「えっと、まあ当たらずとも遠からずと言いますか。……こちらです。」
ヴァンの問いかけに答えを誤魔化しながら答えたアニエスはヴァンにザイファに映る映像を見せた後そのままヴァンに手渡した。
「そいつは……年代物の懐中時計、いや。」
「お願いしたいのは他でもありません。こちらの古い”導力器”の捜索を手伝って頂きたいんです。数十年前の品で、私のひいお祖父ちゃ――――――曾祖父の遺したものになります。」
「…………………………この画像は?」
アニエスの説明を聞きながら黙ってザイファに映る画像を見つめ
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