プロローグ 後篇〜合同捜査隊『エースキラー』〜後篇
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ベル帝国を統べる”皇”である貴方とギュランドロス皇帝による”勅命”になると”クロスベルの領土内での違法捜査によって得た証拠物件も法的にも認められるかつ捜査令状の発行手続きを省略する事も可能”……という事か。」
「クスクス、エレボニアの皇帝――――――おっと、今は”国王”やったな。その国王のユーゲント三世と違って”絶対権力”があるヴァイスの旦はんと”暴君”はんの勅命は”クロスベル帝国領内だとクロスベル帝国法のあらゆる法よりも優先されることになる”から、当然”皇帝の勅命ならば違法捜査も認められる”という事やな。」
「クク、”民間人の保護”を建前にある程度の無茶を平気で実行している遊撃士協会も真っ青になるような令状だぜ。」
「ア、アハハ……また随分と思い切った事をしましたね……」
ヴァイスの説明に続くようにアリオスは静かな表情で推測を口にし、ルクレツィアは可笑しそうに笑いながら呟き、ガルシアは口元に笑みを浮かべ、リーシャは冷や汗をかいて苦笑していた。
「な、な、何を考えているんですか、陛下っ!?”違法”を取り締まる治安維持組織である”警察”の俺達に”違法による捜査の許可”をするなんて大問題である事も当然ですが、GIDや現地の警察にも喧嘩を売っているようなものじゃないですか!?この令状の存在によってカルバード州で後に様々な問題に発展しかねない可能性がある事もそうですが、最悪この令状を持つ俺達に反感を抱いた彼らが”A”の捜査に非協力的な態度を取る事も考えられるんですよ!?」
一方我に返ったロイドは口をパクパクさせた後真剣な表情を浮かべてヴァイスに指摘した。
「その時はそれこそ、その”皇帝勅命捜査令状”を盾に捜査協力を要請すればいいだけだ。彼らもカルバード州のそれぞれの”真の主である皇帝の俺とギュランドロス、そしてシルヴァン皇帝の勅命が絶対”である事くらいは理解しているし、そもそも彼らにも前もってお前達がその”皇帝勅命捜査令状”を保有している事はグラムハートとサフィナ総督を通じてそれぞれ伝えてある。」
「クク、エレボニア同様”宗主国”である事を理由にクロスベルでの様々な”違法行為”を揉み消してきたカルバードの連中にとってはこれ以上ない皮肉過ぎる令状だな。」
「彼らも”ルバーチェ”の若頭である貴方にだけはそれを言われる筋合いはないと思うでしょうね……ちなみにその口ぶりだとメンフィル側の合同捜査隊のメンバーもこれと同じものを保有しているのかしら?」
ロイドの指摘に対して答えたヴァイスの話を聞いて不敵な笑みを浮かべて呟いたガルシアに呆れた表情で指摘したルファディエルは気を取り直してヴァイスにある事を訊ねた。
「ああ。メンフィル側はリィンとリアンヌ、リーヴェルト少佐に渡している。――
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