プロローグ 前篇〜陽だまりと護り手の出会い〜
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スに視線を向けたメイヴィスレインが答えを濁している中アニエスは真剣な表情でメイヴィスレインを見つめて答えた。
「………………………………」
「それよりも、メイヴィスレインさんがアニエスの部屋に現れた時、随分な重傷を負っていたけど、理由を聞いてもいいかしら?」
全く濁りのない澄んだアニエスの瞳に見つめられたメイヴィスレインが黙り込んでいる中レンはある事をメイヴィスレインに問いかけた。
「……その件は私にとっては信じ難いかつ屈辱的な内容なのですが、貴女達には傷の手当ても含めて世話になっているようですし、特別に説明して差し上げます――――――」
レンの問いかけに対してメイヴィスレインは当時の出来事を思い返して表情を歪めたがすぐに気を取り直して自身の事情――――――ある”霊峰”の守護を任された自分が魔族との戦いに敗れて虜囚の身になりかけたが、魔族の虜囚になる事が”死”よりも辛くかつ屈辱だったメイヴィスレインは自身に残っていた魔力を暴発させて自ら谷底へと落下しながら意識を失った事を説明した。
「……なるほどね。(魔族達との戦いに敗れて………まさかね。)――――――ま、とにかく今は傷の回復に専念なさい。アニエス、引き続きメイヴィスレインさんの看病をお願いね。」
「はい……!」
メイヴィスレインの話を聞いたレンはとある天使――――――リィンの守護天使の一人にして、リィンに仕えている白銀の髪の天使の智将――――――”力天使ルシエル”を思い浮かべた後アニエスに指示をし、レンの指示にアニエスは力強く答えた。
8月25日――――――
更に一週間後、ようやく傷が完治したメイヴィスレインは最後の包帯をアニエスに取ってもらっていた。
「うん、これでようやく傷も完治しましたね!」
「ええ。貴女の献身的な看病のお陰です。貴女の慈悲に心からの感謝を――――――アニエス。」
「そ、そんな……!私は当然の事をしただけですから、わざわざ頭まで下げなくていいですよ、メイヴィスレイン様!」
包帯を取ってもらった後頭を下げて感謝の言葉を述べたメイヴィスレインの様子にアニエスは謙遜した様子で答えた。
「それでメイヴィスレインさんはこれからどうするつもりかしら?」
「……最初は魔族達に奪われた霊峰の奪還の為にも私が撃破された事で撤退した天使達と合流、そして反撃の後奪還を考えていましたが……そもそも私が撃破された事によって、今の天使達の指揮官は変わっているでしょうし、それ以前に霊峰に辿り着く道のりすらもわかりませんから、恥ずかしい話正直今後の事についてどうすればいいかわからない状況です。」
「メイヴィスレイン様……」
レンの問いかけに対して複雑そうな表情を浮かべて答えたメイヴィスレイ
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