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八条学園騒動記
第七百三十二話 ナマケモノその七

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「殺し回った、これが宗教家の目的であったりする」
「経済的な利益よりもですね」
「自分の精神的なそれをだ」
「求めますか」
「そこが違う、そして連合は多くの宗教が存在するが」
 今自分達がいる国はというのだ。
「穏やかな宗教が殆どでな」
「他宗教との融和を念頭に置いている」
「それで経済的利益をな」
「優先させますね」
「別に政治家がどの宗教を信仰していてもな」
 それでもというのだ。
「投票につながらない場合が殆どだ」
「そうですね、確かに」
 上等兵も言われて頷いた。
「日本然り他の国然り」
「エウロパもそうだがな」
「そうした国ですか」
「そのことも覚えておくことだ、そして怠けることはな」
「ナマケモノのイメージの様に」
「それがない国だ、寝ている時以外はな」
 大尉は強い声で話した。
「働く、学ぶ、遊ぶ、飲食をする」
「そうしたことに徹していますね」
「寝ている時以外は動くことをな」
「まさにスイッチのオンとオフですね」
「そうした風に動く国でな」
 それでというのだ。
「働きもしているからな」
「発展していますね」
「そうなっている、人間愚かでもだ」
 例えそうであってもというのだ。
「真面目に働いているとな」
「それだけで違いますね」
「イワンの馬鹿だ」
「トルストイのあの作品ですか」
「ロシアのな」
 連合の中でも主要国の一国であるこの国のというのだ、この時代でもロシア文学は連合もっと言えば人類の文学において非常に重要な位置を占めている。
「十九世紀後半のロシア文学の巨人だ」
「戦争と平和が有名ですね」
「あの文豪の作品でな」
「真面目に働くことが何よりも重要と説いていますね」
「それでまさにな」
「連合はですね」
「ロシアだけでなくな」 
 この作品を生み出したトルストイの国だけでなくというのだ。
「この国全体でだ」
「愚かであっても」
「真面目に働くことがな」
「何よりもいいとされていますね」
「働いてだ」
 そしてというのだ。
「学ぶこともだ」
「大事とされていますね」
「働き学べば」
 そうすればというのだ。
「人はそうすれば成長する」
「最初は愚かでも」
「誰もがな」
「成長しますか」
「エジソンは最初から発明王ではなかった」
「多くのものを学んで」
「働いてな」 
 そうもしてというのだ。
「発明王となった、そうだ」
「連合では考えていますか」
「だから連合は寝ている時以外はだ」
「動いていますか」
「働き学ぶまた遊びもだ」
 これもというのだ。
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