第五十一話 織田家の者達その八
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「あと明治の人やと芥川龍之介さん」
「いきなりタイプ全然ちゃうな」
「いや、めっちゃイケメンやから」
こうリーに答えた。
「あの人は」
「それでかいな」
「滅茶苦茶頭よくて」
第一高等学校今で言う東大教養学部をあまりにも成績優秀ということで無試験で入学して二番で卒業した程だ。
「教養も凄くて繊細で」
「しかもイケメンでかいな」
「尚且つ性格もよかったらしいし」
「悪いって話は確かにないな」
リーもこう返した。
「あの人は」
「色々悩む人やったけど」
「意地悪とか尊大とかはなかったな」
「そやったさかい」
「あの人も好きなんやな」
「自殺したんが残念や」
綾乃はこのことは心から思った。
「あの人については」
「ああ、自殺してるな」
リーもそれはと応えた。
「あの人は」
「かなりおかしゅうなって」
「その結果やな」
「自殺してん」
末期の作風は暗鬱なものか狂気を感じさせるものになっている、そこに彼がどういった状況にあったか出ている。
「信長さんは本能寺の変で、で」
「竜馬さんは暗殺やな」
「三人共残念やわ」
「綾乃ちゃんって非業の最後好きなんかいな」
中里はここまで聞いて思った。
「ひょっとして」
「そうかも知れんね」
綾乃も否定しなかった。
「言われてみたら」
「そやな」
「何か残念って思うから」
「志半ばとか」
「生きてたらどないしてたか」
非業の死を遂げずにというのだ。
「思うし」
「信長さんも竜馬さんもやな」
「歴史にイフはないっていうけど」
若し、それはというのだ。
「そやけど」
「思うことは止められんで」
「ついつい」
それでというのだ。
「思うさかい」
「それでやな」
「うちは好きなんかも知れんね」
「そやねんな、まあ信長さんとか龍馬さんもな」
中里は彼等はと答えた。
「実際にな」
「生きてたらって思うね」
「何をしてたかな」
「それからも」
「ああ、ただ芥川さんは」
彼はというと。
「明らかにおかしくなってたし」
「書けなくなったって言うてたし」
「しかも結核やったっていうし」
坂口安吾は南京に旅行に行った時に彼は梅毒に感染したと言っていた、事実南京の基督では梅毒に罹った娼婦が出ている。
「あまりな」
「長生き出来んかったかも知れへんのやね」
「ああ、そういえば」
ここで中里ふと思い出して言った。
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