【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第10章】カナタとツバサ、帰郷後の一連の流れ。
【第8節】背景設定10: 古代ベルカの霊魂観と聖王教会の教義について。
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』については、長年の議論にもかかわらず、いまだに決着がついてはいません。
公式教義では、『360年は、あくまでも「目安」でしかない。例えば、幼くして死んだ者ならば、もっと早く生まれ変わって来る』ということになっています。
また、中には、『死者の霊魂が「神の世」に留まる期間は、一般に直近の「星辰期」の10倍ほどである』などと主張する一派もあるようです。
こうした細かな考え方の違いによって、教会の「正統派」も、さらに幾つかの小さな派に分かれています。最も大雑把に分類すれば、正統派は「古典派」と「世俗派」に分かれますが、それらはあくまでも個々人の信仰の問題であり、両派の間に目立った対立はありません。
ただし、「異端派」は別です。
主な異端派は、オリヴィエ以外の導き手を認めない「唯一派」と。オリヴィエ自身が再び地上に転生して来ると考える「再臨派」の二つです。
聖王教会は古来、これらの異端派の「根絶」を目指してはいるのですが、近代的な法体系の許では「その人の考え方が異端であること」それ自体を理由としてその人を裁くことは許されていないので、実際には、単なる「日常的な対立」に止まっています。
実際、新暦81年の「聖王昇天360周年記念祭」では、再臨派のバカどもがあちらこちらで一般市民に迷惑をかけていましたが、現地の陸士隊としても「明らかな違法行為」が無い限り、彼等を軽々しく逮捕する訳にもいきませんでした。
また、教会の組織は、『世界ごとに「本部」があり、「ミッド本部」が「総本部」を兼ねている』という構成になっています。
そして、どの世界でも同じように、教会の組織は、『儀礼を司る司祭団』と『信徒らを守護する騎士団』と『さまざまな奉仕活動を営む奉仕団(修道会)』という、三つの部門から成り立っています。
ミッド総本部では、これら三つの部門の頂点に立つ人物を、それぞれ、大司祭長、騎士団総長、大修道院長、と言い、この三人を合わせて、聖王教会の〈三巨頭〉と言います。
聖王教会全体に関わる(特定の世界だけの問題では無い)重要な問題は、すべて、年に四回ほど開かれる「三巨頭会談」の議題となり、最終的には、この三人の合意のみによって決定されます。
【カリム・グラシアは新暦85年に38歳の若さで、この「騎士団総長」に就任しましたが……ああ見えて、実は、メチャメチャ偉い人なのです。】
(以上、プロローグ、終わり。)
次回予告:【第一部】新世界ローゼン、アインハルト救出作戦。
その、おおよその目次。
【序章】 ベルカ、新たな〈次元航路〉の出現。
【第1章】教会本部、ヴィヴィオとイクスヴェリア。
【第2章】第一次調査
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