【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第10章】カナタとツバサ、帰郷後の一連の流れ。
【第7節】キャラ設定10: エリオとキャロ。(後編)
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、内通者を見つけて処分して以来、ずっと体調を悪くしていた老当主がついに病没した。また、それに伴って、「この秋に予定されていた南方州への進攻作戦」も中止されることになった』という情報でした。
ジョスカーラ姉弟にとっては、良くも悪しくも「人生の目標」が丸ごと失われてしまったような形です。
数日後、自分たちが「密航」した例の貨物船の船長の証言から、それらの情報が紛れもない事実であることを確認すると、ヴァラムディとフェルガンは、すっかり「生きる気力」を失くしてしまいました。
もう何をどうすれば良いのか解らない。もう何もする気が起きない。そんな困惑と虚脱感に襲われてしまったのです。
そんなヴァラムディとフェルガンの様子を見て、エリオとキャロは『やはり、この姉弟は、もうダムグリースには帰さない方が良い。最終的にはどの世界で暮らすことになるにしても、今はまだ言葉の問題があるので、当面はここスプールスで保護するべきだろう』と判断しました。
しかし、移民の「受け入れ条件」は世界ごとに異なっており、実のところ、ミッドチルダのように「ほとんど全員を無条件で」受け入れている世界ばかりではありません。
また、新規移民の受け入れ条件に関して「特別の法律や制度」が無い世界では、管理局の『管理世界は基本的に、あからさまな「犯罪者」を移民として受け入れてはならない』という一般原則がそのままに適用されます。
そして、もちろん、スプールスにそんな「特別の法律や制度」はありませんでした。
(と言うよりも、わざわざスプールスを選んで移民して来る「もの好き」など、歴史上、ほとんどいませんでした。)
ですから、スプールスにも当然、その一般原則が適用されることになります。
そこで問題となるのは、『ヴァラムディとフェルガンは過去に、ダムグリースで実際に人を殺している』という事実でした。
「東の王の島」で起きた一件は、まだしも「正当防衛」として処理することが可能ですが、故郷の島で母方の叔父とその妻を焼き殺した件は、単なる「報復」以外の何物でもありません。
新暦88年6月末、エリオとキャロはやむなく、フェイトに相談して知恵を貸してもらうことにしました。二人が(時差を考え)頃合いを見計らってキャンプ地から通信してみると、幸いにも、フェイトは休暇中で、ミッドの自宅で昼食後に、なのはと一緒にくつろいでいるところでした。
二人が相談すると、さすがは「ベテランの執務官」です。フェイトはすぐに「過去の判例」まで引用して、『管理外世界からの移民は、たとえ元の世界で「管理世界の基準では有罪となる行為」を働いていたとしても、それが「元の世界の法律において無罪」であるならば、その件に関して、管理世界で罪に問われることは無い』ということを、すらす
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