暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第10章】カナタとツバサ、帰郷後の一連の流れ。
 【第7節】キャラ設定10: エリオとキャロ。(後編)
[3/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、内通者を見つけて処分して以来、ずっと体調を悪くしていた老当主がついに病没した。また、それに(ともな)って、「この秋に予定されていた南方州への進攻作戦」も中止されることになった』という情報でした。
 ジョスカーラ姉弟にとっては、良くも悪しくも「人生の目標」が丸ごと失われてしまったような形です。

 数日後、自分たちが「密航」した例の貨物船の船長の証言から、それらの情報が(まぎ)れもない事実であることを確認すると、ヴァラムディとフェルガンは、すっかり「生きる気力」を()くしてしまいました。
 もう何をどうすれば良いのか解らない。もう何もする気が起きない。そんな困惑と虚脱感に襲われてしまったのです。

 そんなヴァラムディとフェルガンの様子を見て、エリオとキャロは『やはり、この姉弟は、もうダムグリースには帰さない方が良い。最終的にはどの世界で暮らすことになるにしても、今はまだ言葉の問題があるので、当面はここスプールスで保護するべきだろう』と判断しました。
 しかし、移民の「受け入れ条件」は世界ごとに異なっており、実のところ、ミッドチルダのように「ほとんど全員を無条件で」受け入れている世界ばかりではありません。
 また、新規移民の受け入れ条件に関して「特別の法律や制度」が無い世界では、管理局の『管理世界は基本的に、あからさまな「犯罪者」を移民として受け入れてはならない』という一般原則がそのままに適用されます。
 そして、もちろん、スプールスにそんな「特別の法律や制度」はありませんでした。
(と言うよりも、わざわざスプールスを選んで移民して来る「もの好き」など、歴史上、ほとんどいませんでした。)
 ですから、スプールスにも当然、その一般原則が適用されることになります。

 そこで問題となるのは、『ヴァラムディとフェルガンは過去に、ダムグリースで実際に人を殺している』という事実でした。
「東の王の島」で起きた一件は、まだしも「正当防衛」として処理することが可能ですが、故郷の島で母方の叔父とその妻を焼き殺した件は、単なる「報復」以外の何物でもありません。

 新暦88年6月末、エリオとキャロはやむなく、フェイトに相談して知恵を貸してもらうことにしました。二人が(時差を考え)頃合いを見計らってキャンプ地から通信してみると、幸いにも、フェイトは休暇中で、ミッドの自宅で昼食後に、なのはと一緒にくつろいでいるところでした。
 二人が相談すると、さすがは「ベテランの執務官」です。フェイトはすぐに「過去の判例」まで引用して、『管理外世界からの移民は、たとえ元の世界で「管理世界の基準では有罪となる行為」を働いていたとしても、それが「元の世界の法律において無罪」であるならば、その件に関して、管理世界で罪に問われることは無い』ということを、すらす
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ