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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第10章】カナタとツバサ、帰郷後の一連の流れ。
 【第5節】新暦93年と94年の出来事。
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た。

 それでも、同年の秋には、カナタとツバサは二人一組で(いきなり二つ飛ばして)陸戦Bランクを取得し、それによって、翌94年の春からは「二人だけでの単独任務」も任されるようになりました。
「局員二年目」となるこの春からは、階級も「二等陸士」です。
 そして、この年、二人は実際に「某初等科学校への潜入捜査」などといった単独任務をも巧みにこなして行きました。


 その潜入捜査とは、具体的には以下のようなものです。
 カナタとツバサ(11歳)は、児童誘拐と人身売買の組織を摘発するために、5月に偽名で担当地域の西部にある普通科の某初等科学校へと転入し、一般児童のふりをしながら捜査を進めたのですが、その際には、仕事なので仕方なくウィッグで髪型をロングにして、精一杯、組織に狙われそうな「何かと隙の多い美少女」を演じました。
 そして、7月の課外活動の日に、山中で「集団拉致事件」が起きると、一緒に捕らえられたクラスメートの「マティカ・ロータス」たちを速やかに救出し、組織の実行メンバーたちを一網打尽に捕らえて、事件は無事に終了します。
 その直後に『親の仕事の都合で、仕方なく再び転校した』という名目で、マティカたちにも正体を告げぬまま、二人はその初等科学校を去りました。
 この時の「変装」ぶりは、二人の所属する陸士245部隊の中では、今も(主に男性陣から)大変に高い評価を受けているのですが、本人たちにとっては早くも「黒歴史」のようです。(笑)
【後に、このマティカ・ロータスは、カナタとツバサの後を追うようにして……という展開になるのですが、それはまた、もう少し先のお話です。】


 そして、94年の秋には、そうした実績をも考慮された結果として、カナタとツバサは二人そろって陸戦Aランク試験にも一発で合格となります。
 その直後の11月に、二人はカルナージでの合同訓練にも初めて参加しました。総勢25名という、かつてない規模の「大合同訓練」です。
【これについては、また「第一部 序章」でチラッと描写します。】

【また、その合同訓練と同じ時期に、地球ではリンディが〈本局〉経由で「一歳(ひとつ)年下の」アラムドゥ(66歳)から「いささか奇妙なメール」を受け取り、故郷のファストラウムへ「四度目の里帰り」をしました。
 そこで得られた「秘密の手記」によって、彼女の父親である「ヴェラルド・マグナス」の素性(すじょう)が初めて判明するのですが……この話も、また第二部と第三部でやります。】


 こうして、カナタとツバサは順調に成長を続けて行きました。
しかし、その次の年(新暦95年)の春には、また大変な「一連の事件」が起きてしまったのです。
【本文の内容は、ここから「第一部」に続きます。】




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