暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第10章】カナタとツバサ、帰郷後の一連の流れ。
 【第4節】新暦91年と92年の出来事。
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「重要な節目」と考えていたのです。
 実際、リンカーコアが顕現するかしないかは、大半の場合、6歳までには決まります。その後、魔力の有無や特質や強弱などを踏まえて(あるいは、本人の身分や身体的な能力などに応じて)小児(こども)も10歳までには将来の職業を決めてしまうのが、古代ベルカでは普通のことでした。
 同様に、男女の婚約も10歳から、実際の結婚は男女とも15歳からであり、遅くとも21歳までには子を成すことが、社会的に期待されていました。
 また、昔の日本には「人生五十年」という決まり文句があったのと同じように、古代ベルカでは一般に「人生55年」と言われていました。
(55は、1から10までの総和です。)
 もちろん、28歳や36歳も人生の大きな節目でしたが、『およそ45歳で社会的には一線を退き、55歳以降はただの余生と割り切り、遅くとも66歳までにはこの世を去る』というのが、古代ベルカ人にとっての「理想の人生」だったのです。
(古代ベルカでは、長寿それ自体は必ずしも「良いコト」ではありませんでした。)

【ちなみに、120は、1から15までの総和です。古代ベルカ人が120年を「大きな単位」と考えていたのも、ひとつには、そのためだったのかも知れません。】

 古代ベルカにおける「三歳(みつ)の祝い」と「六歳(むつ)の祝い」は、日本で言う「七五三」のようなものであり、同様に「十歳(とお)の祝い」は、(随分と気の早い話ではありますが)日本で言う「就職祝い」のようなものでした。そうした古い伝統は、現代の諸世界にも形を変えて受け継がれており、例えば『管理局に(はい)れるのは10歳から』という規定も、この伝統に(のっと)ったものなのです。
 今では「本当に10歳で管理局に就職してしまう魔導師」はごく(まれ)な存在ですが、それでも、『将来が有望な子供に、親が「十歳(とお)の祝い」として特製のデバイスをプレゼントする』というのは、それなりによくある話でした。
(実際、ギンガの親友であるデュマウザ・シェンドリールも、10歳の時に祖母から特製のデバイス〈クラッシュフィスト〉をプレゼントされています。)

 また、思い起こせば、なのはも新暦79年、ヴィヴィオが10歳の時に、彼女に〈セイクリッド・ハート〉(愛称、クリス)を与えています。
 そこで、カナタとツバサが『93年の春に一貫校を卒業したら、10歳ですぐに管理局員になる』という話が決まると、なのはは『その時に、カナタとツバサにも「就職祝い」として、何か専用のデバイスを贈ろうか』と考えていたのですが……。
 新暦92年の末、「余り日」の休暇にその話を聞くと、カナタとツバサ(まだ9歳)は、あえてそれを辞退しました。

 カナタ「いや。(ほか)でもない、なのは母様(かあさま)にそう言って
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