【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第10章】カナタとツバサ、帰郷後の一連の流れ。
【第4節】新暦91年と92年の出来事。
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司書の資格を取ると、年末には何故か(非公式ながらも)ユーノ司書長から「付き人」と言うか、「秘書」のような立場に抜擢されてしまいました。
そして、翌92年の1月。
リエラ(20歳)は、ユーノ(36歳)やヴェロッサ(41歳)とともに、聖王教会本部へと赴き、ヴェロッサから、カリムやシャッハ(45歳)を紹介されました。
その上で、ユーノ司書長が奥の間でカリム総長と「内密の話」をしている間、リエラはヴェロッサとともに控えの間に退き、そこでオットーやディードともいろいろと話をします。
やがて、不意にカレルの話題が出ました。中等科の頃の話は「双子の妹として」本当に赤面ものでしたが、現在の話となると、空士として挫折なく「本来の人生」を歩み続けているカレルのことが、リエラには何やら羨ましくもあります。
リエラは、もうしばらくの間、自分の人生に自信が持てず、悩み続けたのでした。
一方、奥の間では、ユーノがカリムに対して、次のような内容の話をしていました。
『いきなり失礼な話題になってしまいますが、あなたの曾祖母「エルネスタ・フランカルディ」の出自は、実際には、戸籍の記載とは異なっているのではありませんか? もし御実家に何か当時の資料などが残っていれば、一度よく調べてみてほしいのです。
これは、フランカルディ家にとっても、グラシア家にとっても、随分と不利益になる話かも知れませんが、自分はただ「真実」を明らかにしたいだけなので、できれば御協力いただきたいと思います。
また、それとは別の話になりますが、「グランド・マスター」という名前に聞き覚えはありませんか? 私の推測が正しければ、エルネスタにとっては「ごく身近な親族」だったはずなのですが』
それを聞いて、カリムも以下のような内容の話を返します。
『私の知る限りでは、エルネスタはグラシア本家の先々代の当主との間に3男をもうけた後、旧暦の最後の年には三十代の若さで亡くなりました。その長男が、グラシア本家の先代当主。次男が、バルベリオ元総長の実父。そして、三男が、私が四歳の時に亡くなった、私の父方祖父です。
確か……私の両親や祖父母の「10回忌」の時のことですが……私の大伯父に当たる、その長男と次男との会話に、「グランド・マスター」の名前が出て来たことがあったように思います。この二人はすでに故人ですが、本家の現当主は何かを聞き及んでいるかも知れません。忙しい人ですから、すぐには捕まらないと思いますが、私の方から一度よく訊いてみましょう』
こうして、二人の「内密の話」は終わりました。
【こうした「グランド・マスター」にまつわる話に、一定の結論が出るまでには、ここからさらに丸一年余の時間を要します。】
また、そ
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