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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第186話:明かされる仮面の下
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離を取った。颯人を巻き込む事無く、ジェネシスとの戦いに集中する為に。
だが皆神山での出来事が全てを狂わせた。あの出来事で颯人は魔法使いとしての才能の片鱗を見せてしまった。輝彦ですら唸る程の才能だ。薄々予想してはいたが、やはり颯人は両親の才能を受け継ぎ魔力を操る才能に長けていたのだ。
こうなると何時までも知らんぷりしては居られない。颯人の才能に目を付けたワイズマンにより、颯人が連れ去られるかもしれない。それを防ぐ為にも、彼は予定を変えて颯人を手元に置いておくしかなかったのだ。
「その時、私は颯人の父親である事を止めた。例え恨まれる事になろうとも、颯人に自分の身を守れるだけの力を持たせようと思った。ウィズとはその為の名前だ」
輝彦の話を聞いて、マリアとクリスは何も言えなくなった。彼らは愛する息子を守る為に、颯人の両親としての自分を殺して他人として接する事を選んだのだ。息子を愛するが故に…………
一頻り話を聞いて、奏も落ち着きを取り戻したのかゆっくりと輝彦を解放した。重苦しい沈黙が訪れる中、最初に口を開いたのは意外な人物であった。
「ったく……勝手にネタ晴らしするなよ奏」
「ッ! 颯人ッ!?」
声の主は颯人だった。何時の間にか意識を取り戻していた彼は、依然として今にも死にそうな顔をしつつ上半身を必死に起き上がらせ奏達の事を見ていた。奏はそんな彼に近付き、彼をもう一度寝かせた。
「馬鹿、無理するなッ! 自分が今どういう状態なのか分かってるのかッ!」
「そうもいかないだろうが。肝心の俺が、ぐっ!? くぅ……俺が話をしないで、誰がするってんだよ」
颯人はそう言って脂汗を流しながら笑みを浮かべると、その顔を久し振りに見る実の父の顔に向けた。
「よ、こうして会うのは久しぶりだな父さん」
「颯人……済まない。私が、私が愚かだった。あの時、私がお前を魔法使いにせず、傷の手当だけをして解放していれば、こんな事には……!?」
輝彦は心の底から公開していた。皆神山での事件が起きた時、彼は颯人の才能がジェネシスに狙われる事を恐れて彼を魔法使いにする事を選んだ。だが彼を魔法使いにするのではなく、奏共々あの場から助け出し、魔法の事等必要以上に知らせず普通の生活に戻していれば…………
しかし颯人の心には、今まで自分を偽っていた両親に対する怒りは微塵も存在しなかった。今彼が感じているのは、久方振りに親子として触れ合える嬉しさだけであった。
「んな昔の事は言いっこなしだぜ。今更言ったって仕方ねえ。俺が父さん達に言いたい事は、たった一つだ…………ありがとう。何だかんだで父さん達のお陰で、俺は奏を助けられた」
今までずっと言いたかった言葉。ウィズとアルド相手には絶対に言えなかった言葉を今口に出来て
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