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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第186話:明かされる仮面の下
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」
奏が激情に任せてそう口にした瞬間、その場の時間が止まったような錯覚を誰もが感じた。アルドも思わず泣くのを止め、唖然とした目をフードの下から向けている。
「か、奏……!? 今、何て言ったの?」
「息子? ペテン師が、コイツ等の息子だって……!?」
「と言う事は、この2人は……!」
サンジェルマンが驚愕の表情でウィズとアルドの顔を交互に見る。仮面とフードでそれぞれ顔を隠した2人は、奏の発言とサンジェルマンの視線に狼狽えた様に視線を彷徨わせるが、先にアルドの方がフードに手を掛けた。ウィズはそれを止めようと手を彼女に向ける。
「ッ、ま、待て……!?」
アルドを制止しようとするウィズだったが、彼女は嗚咽を漏らしながら首を左右に振った。
「もう……止めましょう。もう、無理です。私には、もう…………」
弱々しく言葉を紡ぎながらアルドがフードを脱ぎ去ると、ブロンドの髪が零れ落ちる。その下にあったのは、泣き腫らした妙齢の女性の顔だった。サンジェルマンはその顔に見覚えがあった。
「やはり……アリス…………」
「こうしてお会いするのは、お久し振りですね。サンジェルマン様」
言葉を失うサンジェルマンに、アルド改めアリス……アリス・D・明星は頭を下げた。
パートナーのその姿に、ウィズも遂に観念した。どの道もう誤魔化しようはないと察した彼は、奏に襟元を掴まれたまま変身を解除した。一瞬光に包まれ変身を解いた後に姿を現したのは、何処か颯人と似た顔立ちの壮年の男性。その男の顔にサンジェルマンは今度こそ息を呑んだ。
「明星……輝彦……! 生きていたのか……!」
驚愕し、だが心の何処かで喜んでいる様な声色で輝彦の顔を見るサンジェルマン。彼は彼女の言葉には答えず、疲れたような顔で奏に問い掛けた。
「一つ、聞かせてくれ……颯人はこの事に?」
「とっくの昔に気付いてたよ。アンタらが自分の両親で、ずっと傍に居たんだって事にね」
「颯人……!」
奏の言葉にアリスが再び泣き崩れる。一方の輝彦も、鉛を飲み込んだような顔になり今なお苦しむ颯人の方を見た。
「颯人……」
「何故……何故あなた達は、颯人に真実を伝えず戦わせたの?」
「そ、そうだよッ! 生きてたんなら、何でペテン師に本当の事を……!」
「……どうして父親面が出来る。息子を戦わせるような男に等……!」
最初輝彦は颯人の知らない所でジェネシスとの戦いに身を投じていた。だが何時までも彼に真実を隠す事に対して限界を感じていた。我が子ながら、息子の察しの良さに2人はいずれ必ず隠し切れなくなり、そうなれば必ず彼は2人の戦いに首を突っ込んでくる。
それを防ぐ為、2人はジェネシスの襲撃に乗じて自分達の死を装い颯人から距
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