暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第186話:明かされる仮面の下
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した。

「フンッ、相方の紅刃が居ない状態で戦えるのか?」
「プレラーティ? それはこの2人に負けたあーしに対する当てつけ?」
「あわわっ!? 喧嘩しないでくださいッ!」

 切歌と調のコンビに敗れたプレラーティと、切歌と響のコンビに敗れたカリオストロ。共に切歌を起点にそれぞれ敗北を喫した2人が唐突に火花を散らせたことに響が慌てていると、その様子を眺めていたアダムが纏めて吹き飛ばそうと火球を飛ばしてきた。

「フッ!」
「させるかッ!」

 ガルドは飛んできた火球を魔力で強化したマイティガンランスで切り裂いた。そこでやっと意識をアダムの方に戻したカリオストロとプレラーティに、ガルドは背を向けながら声を掛けた。

「喧嘩をしている暇はなさそうだ。今はアダムをッ!」
「分かってるわよッ!」
「後で覚えてるワケダ」




***




 ウィズにより本部に連れ戻された颯人と奏、そして成り行きで来てしまったサンジェルマンの4人はそのまま医務室へと直行した。医務室では透により一足先に戻ってきていたマリアとクリスの2人が、透とアルドに手当をされている最中であった。彼らの足元を、包帯や医薬品を持ってキャロルが駆けずり回っている。

「アルドッ!?」
「ウィズ? どうし、ッ!? 颯人ッ!?」
「えっ!? 颯人、何があったのッ!?」
「どういう事だよ、これはッ!?」

 奏の腕の中で苦しみ藻掻く颯人の姿に、クリス達も狼狽えずにはいられない。こんな彼の姿を見ることになるとは思わなかったのだ。戦闘で苦戦した時を除いて、彼がこうして苦しむ姿を見せた事は無かったので当然かもしれない。

 ウィズは医務室を見渡し、ベッドが空いていないのを見ると舌打ちをして近くの机の上の物を乱暴に退かした。何か割れたような音がした気がするが、そんな事に構っている暇はない。
 机の上に寝かせた颯人は未だに苦しんでいる。こうしている間にも罅割れは広がり、今にも彼の体が弾けそうだ。奏はそんな彼の手を取り、祈る様に両手で包み込んだ。

「颯人……颯人……!」
「ウィズ、何があったのですか?」
「私も詳しい状況は知らない。サンジェルマン、何がどうしてこうなった?」

 この中で颯人がこうなる直前まで行動を共にしていたのはサンジェルマンただ1人。ウィズは彼女に何故こうなったのかを聞き、そこで漸くクリスとマリアもサンジェルマンがここに居る事に気付いた。

「いぃっ!? こいつパヴァリアの幹部だろッ! 何でここにッ!?」
「今は後よクリス。それより、何があったの?」
「私にもよく分からない。ただ、アダムは颯人君が体を酷使しすぎたとか言っていたけれど……」
「ッ!?!?」

 サンジェルマンの言葉に奏が目を見開き息を呑んだ
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