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第五十話 死守その十八

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「出来れば私も」
「ビーストが修理出来ていれば」
「協力していたわ」
「そうなのね」
「そのことに謝罪するわ」
「謝る必要はないわ、私が騙していたから」
 それでというのだ。
「その必要はないわ」
「そうなのね」
「ええ、それでこれからだけれど」
 庚はあらためて言った。
「封真にね」
「出てもらいますね」
「剣を渡すから」
 遊人に答えた。
「それで場所はね」
「最後の結界ですね」
「国会議事堂、都庁と」
 そしてというのだ。
「クランプ学園と東京タワーだけれど」
「東京タワーですね」
 封真は真剣な顔で応えた。
「あちらですね」
「わかるのね」
「先の二つは俺達がそれぞれいる場所で」
「クランプ学園は私達のほぼ全員が関わっているわ」
「そうした場所なので」
「最後の戦いが終わってからよ」
 それからだというのだ。
「壊すとしたらね」
「そうですね」
「そして残るのは」
「東京タワーですね」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「起きて夜になれば剣を渡すから」
「だからですね」
「おそらくもう彼には剣が渡っているわ」
「神威には」
「だからね」
「明日の夜には」
「最後の戦いが行われるわ」
 こう封真に話した。
「いいわね」
「覚悟は出来ています」 
 これが封真の返答だった、その表情にも声にも一点の曇りはなく覚悟だけがあった。そうした意味で実に純粋な顔であった。
「俺も」
「そうね、それではね」
「夜にですね」
「出てもらうわ、彼は出陣したけれど」
「明日の昼は」
「学校にいるわ、貴方も学校に行くわね」
「そうさせてもらいます」 
 封真はまた答えた。
「最後の登校になるかも知れないですが」
「出来る限りそうならない様にしなさい」
「勝ってですか」
「生きてよ」 
 そのうえでというのだ。
「いいわね」
「そういうことですか」
「彼は死んだから尚更ね」  
 星史郎を見て話した。
「だからね」
「生きることですね」
「そう、生きてね」 
 そうしてというのだ。
「皆で生き残ったことを喜びましょう」
「帰って来てですね」
「そうしましょう、食事は何がいいかしら」
「そうですね、何でもです」
「いいのね」
「甘いものがあれば」
 そうであるならというのだ。
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