第五十話 死守その十六
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「夢の世界にいる様になり」
「私の真の狙いがわかったのね」
「お姉さんを救いたいことを」
「もう一人の姉さんを何とかして」
そうしてというのだ。
「夢見の重荷からもね」
「お救いしたいですね」
「夢見は重いから」
その責務がというのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「私は姉さんと袂を分かって」
「敢えてそうして」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「自由になってもらいたいのよ」
「だからもう一人のお姉さんをですね」
「何とかしたくて」
「僕達を集めたんですね」
今度は??が言ってきた。
「そうだったんですね」
「そうよ、この世界はね」
「実はですね」
「人間を滅ぼさなくても地球は護れるから」
「僕達は護ればいいですね」
「そうよ」
その通りだとだ、庚は答えた。
「この地球をね」
「そうなんですね」
「天の龍は人間を護って」
「僕たちは地球を、ですか」
「そしてその真に戦うべき相手は」
「天の龍ではなく」
「もう一人の姉さんだったのよ」
そうだったというのだ。
「戦う運命だったけれどね」
「地の龍と天の龍は」
「けれどよ、決着はつけても」
「それよりもですね」
「もう一人の姉さんをね」
丁、彼女をというのだ。
「何とかしたいとね」
「庚さんは思われて」
「貴方達に来てもらったわ」
「最初は言えないことね」
このことはだ、颯姫は察して言った。
「真の目的は」
「ええ、騙して隠していたけれど」
「そうね、けれど当然のことよ」
「当然?」
「やっとわかったわ、絆のある人を大事にしたいと思うことは当然よ」
こう庚に言うのだった。
「人間としてね。私も」
「そう思う様になったのね」
「家族にね」
遊人も見て話した。
「そうなったわ」
「そうなのね」
「だからね」
「私もなのね」
「当然よ、では何としても」
「姉さんを救いたいわ」
「もう一人の自分から、そして」
「夢見の呪縛からね。私は代わりたくても」
庚自身が思ってもというのだ、そうして自分の無力さを呪い忌々しい気持ちになってそのうえで話した。
「夢見の力はないから」
「代われないから」
「敢えて戦いがはじまる時にね」
「地の龍を束ねる立場になったのね」
「そうよ、そして」
そのうえでというのだ。
「いよいよね」
「もう一人のあの人を」
「何とかしないといけなくなったわ」
「そうですか、出来ればあと少し時間があれば」
遊人は残念そうに述べた。
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