第一章
6.決断
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」
「いや、ないと思いますけど」
「だよね」
「でも、私たちの組織は大きかったですよ。下界でも布教活動をしていた支部がありました。いずれ教団の人間が誰か来てくれるかもしれません」
「残念ながらそういうのはとっくの昔に壊滅済み。そもそもロトの子孫がここまで乗り込んできている時点で無事なはずないと考えるのが普通でしょ。みんな捕まって、改宗しない人は火あぶりにされたか、奴隷にでもなったか」
「……」
「でもキミは入信以来この地でずっと働いていたなら、黙っていれば信者だったってバレない。だからさっさと下界でやり直しなって言ってるのに」
「そのご提案は、覚えてはいますが」
でも、ここでお墓を作っていたら、今までなかなか言葉にできなかった自分の思いのようなものがわかってきて、考えがまとまってきたなということがありまして――。
そう少女に説明しようとしたときだった。
「見つけたぞ、お茶くみの魔術師。こんなところにいたのか」
そのやや野太い、人間のものではない声。
フォルにとっては聞き覚えのある声だった。
現れたのは、一人のアークデーモン。
先日フォルがアークデーモンの山に行ったときに会った、族長代行の代行だった。
もちろん、友好的な表情ではなかった。
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