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色々と間違ってる異世界サムライ
第12話:嫉妬の影
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バよ」
王様の言葉は貴族達を納得させたようだった。というか強引に説得したって感じだ。
でも、ツキツバさんだけは冷静にかつ無礼無く受け答えた。
「謹んで、お受けいたします」
と言うか……改めてツキツバさんがスゲェ!
こうしてツキツバさんは王様より『英雄の称号』と名の付いた腕輪を賜った。

月鍔ギンコperspective

ジョナサン殿に案内され、某の新たなる家を訪れました。
「ここなら好きなだけ使ってくれていい」
「遠慮は無用と言う訳ですな」
やはり、この世界の家はどこまで言っても変わっております。
とは言え、どの道次の合戦を探しに旅立つのだ。この家に長居する事はあるまい。
ノノ殿が荷物から変わった茶碗を取り出し、台所へと向かって行きました。
「ジョナサンさんもコーヒー如何です?先程の緊張がほぐれますよ」
どうやら、ノノ殿は目上との会話になれておられぬご様子です。
「私は遠慮するよ。すぐに帰るつもりだ」
と言っておきながら、ジョナサン殿は某の方を振り返りました。
「そうそう、言っておかないといけないな」
「……何を?」
セツナ殿が未だに警戒心が強い様です。歴史を紐解けば、猜疑心に足元を掬われた者は数多くいると言うのですが……
「あの手紙にはロアーヌから陛下ヘの要望が書かれていた。君を是非この国の英雄にしてもらいたい、と」
「だからアントの件をやらせたのか?」
「そうだ。英雄には相応の成果がなければならない。いくら奴が私と陛下と親しい間柄だとしても、簡単に与えることはできないのだ」
「ふーん。なるほどな。やけにすんなりと話が進むなと思っていたんだ」
つまり、ですあんととの合戦は全てロアーヌ殿の策によって動いていた事になります。そして、そうとは知らずにですあんとはこの国を攻めてしまったのでしょう。
でも、セツナ殿はまだまだ多くの疑問を抱えている様です。
「王様は私達に称号を与えたわけだけど、やっぱり国を離れちゃ不味いか?」
「好きにすればいい。英雄とは必要な時にそこにいればいいんだ。活動する街のギルドに報告さえしてくれればどこにだって行って構わない」
それならよかった。この家から出てはいけないなどと言われたら、某達の腕が鈍ってしまいますから。
「あともう1つ。ロアーヌからツキツバに伝えて欲しい言葉を託されている」
「何でしょう?」
「負けるなよ」
負けるな?
某は誉高い戦死を求めているとお伝えした筈ですが。
「この先、ツキツバの事を大義無く悪逆非道な殺人鬼と呼び、ツキツバの名誉を私欲の為に傷つける者との戦いが待っているだろう。だが、その様な無礼者の言葉に惑わされる事無く、ツキツバ殿はこれからも自分の信じた道を堂々と進まれよ!……これか、ロアーヌがツキツバに最後に伝える言葉だそうだ」
ジョナ
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