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神々の塔
第五十一話 織田家の者達その四

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「最初はな」
「裸でか」
「寮で全裸でトイレ行くあいつ等見てな」
 消灯後のというのだ。
「何やと思ったわ」
「裸で寝るのかって」
「そのことをすぐにわかったからな」
 それ故にというのだ。
「ほんまにそんな奴おるんやってな」
「知ってか」
「私も驚いた」
 そうだったというのだ。
「綾乃ちゃんやとドン引きかもな」
「女の子もやね」
 綾乃はこう述べた。
「フランスとかイタリアやと」
「そやで」
 綾乃と同じ女子であるシェリルが言ってきた。
「フランス人とかイタリア人はな」
「裸で寝るんやね」
「そうした娘おるで」
「そうやねんね」
「そうした文化というか」
「お国柄やろか」
「それになるか、しかし裸で寝ると」 
 シェリルもどうかという顔で述べた。
「寒いやろ」
「そうやね」
「神戸寒いわ」
 自分達が起きた世界で暮らしている日本のこの街はというのだ。
「特に冬は」
「前は海ですぐ後ろに山があって」
「風が吹き下ろしてきてな」 
 これが六甲おろしである、この風によって神戸は夏は涼しく冬は寒くスキーも楽しめる状況になっているのだ。
「寒いね」
「フランスはその神戸より寒いんや」
「セーヌ川が凍る時もあって」
「寒波になったらな」
「それでフランス革命にもなったね」
「パリまで小麦が運べん様になってな」
 セーヌ河を使って行っていたがだ。
「それでや」
「食べものがなくなって」
「そこから革命になったんや」
「そやね」
「川が凍るのがな」
「フランスやね」
「そこまで寒いのに」 
 パリは宗谷岬より北にある、イタリアの首都ローマにしても緯度は結構なものなのだ。それだけ欧州の冬は過酷ということだ。
「裸で寝るとかな」
「ちょっとないね」
「日本の夏でも裸はな」
「どうかってなるのに」
「パリで冬裸で寝るのは」
「辛いね」
「ほんまな、私なんか」
 シェリルは自分が生まれたオーストラリア中央部に近い場所を思い出して話した。
「とてもな」
「夏でもやね」
「裸でいられれんわ」
「そやね」
「それで今は」
「フランスやイタリアの娘もやね」
「周りの目もあるしな」
 例えそれが同姓のものでもだ。
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