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第百十一話 チャックその一

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                第百十一話  チャック
 かな恵はこの時は上下共に赤いジャージ姿だった、そのうえで家のリビングにいてゲームをしていたが。
 そこに弟が来てだ、こう言ってきた。
「赤のジャージってカープかよ」
「ああ、そうね」
 かな恵も言われて気付いた。
「赤だからね」
「それで赤っていっても色々だけれどな」
「今のジャージの色カープの赤ね」
「そうだよな」
「カープ嫌いじゃないけれど」
 かな恵は所謂乙女ゲームをしつつ言った。
「野球は阪神でしょ」
「何て言ってもな、中等部の特進科に凄いのいるんだよ」
「あんたの同級生ね」
「ああ、頭の中阪神で一杯でな」 
 姉のプレイを彼女が今座っているソファーの隣に座って答えた。
「着ている服も制服以外はな」
「黒と黄色の縦縞ね」
「スキー部だけれどウェアもな」
 スキーウェアもというのだ。
「そっちらしいんだよ」
「筋金入りね」
「それでそいつの妹さんは幼等部だけれどな」
 そちらに通っているというのだ。
「その妹さんもかなりらしいんだよ」
「虎キチなの」
「いや、妹さんは鯉なんだよ」
 即ちカープだというのだ。
「鯉女で身の回りのもの全部な」
「赤なのね」
「身体切ったらカープの赤だってな」
 その様にというのだ。
「言ってるらしいな」
「その娘も凄いわね」
「それで今の姉ちゃん見てな」
 もっと言えば赤いジャージをだ、彼女が今着ている。
「その兄妹思い出したよ」
「そうだったのね」
「俺は阪神だけれどな」 
 このチームのファンだというのだ。
「やっぱり阪神はな」
「いいわよね」
「巨人なんか間違ってもな」 
 戦後日本におぞましい害毒巨人真理教とも呼ぶべき偏っているにも程がある邪悪な思想を伝播させたこのチームはというのだ。
「応援しないしな」
「昔は巨人イコール正義だったのね」
「何処が正義だよ」
 明男は口を尖らせて否定した。
「悪いことしかしてないだろ」
「巨人はね」
「北朝鮮みたいな宣伝してな」
 親会社が積極的に行っていたことは言うまでもない。
「巨人が正しいってな」
「無茶苦茶宣伝して」
「昔の野球漫画なんてな」
 プロ野球を舞台にしただ。
「主人公のチームは絶対にな」
「巨人だったのよね」
「ふざけるなだよ」 
 弟は本気で言った。
「巨人なんてそれこそな」
「悪役でないとね」
「駄目だろ」
 それこそというのだ。
「あそこは」
「悪の限りを尽くしてるからね」
「巨人が悪役でないとな」 
 若しプロ野球を舞台にした創作であるならというのだ。
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