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星河の覇皇
第八十五部第四章 メキシコの思惑その三十九

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「人としてです」
「いいですか」
「人間長く生きれば」
 それだけというのだ。
「いいことがあるかと」
「そうでしょうか」
「確かに哀楽があり」
 ドトールは述べた。
「別れもあります」
「それもですね」
「人間百年といいますが」
 この時代ではそう言われている、人間の寿命は遂に百年に至ったとだ。科学は人をそこまで長生きさせられると。
「ですが」
「その百年もですね」
「それどころか」
 その寿命さえもというのだ。
「その半分すらです」
「五十年もです」
 連合では夭折とされる年齢だ。
「それすらもです」
「生きられない人もですね」
「いますね」
「はい」
 老婆も答えた。
「実際に」
「それは確かにですね」
「その通りです」
「はい、人の一生はです」
 それはとだ、老婆も話した、
「この世で最もわからないものです」
「そうですね」
「ですから私達もです」
「占い師の方もですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「このことはです」
「占いを通じてですか」
「学んでいます」
「そうですか」
「左様です」
 こうドトールに答えた。
「まさに」
「そうなのですか」
「はい、占いは学問です」
「よく言われますね」
「そうです、オカルト学と言われますね」
「連合では」
「あらゆるものが学問で」
 それでというのだ。
「オカルトもです」
「それもですか」
「学問で」
 老婆はさらに話した。
「実は私もです」
「学者さんですか」
「実は大学院も出て」
 そしてというのだ。
「修士だけでなく」
「博士号もですか」
「持っています」
「そうなのですか」
「博士号は四十の時に持っています」
「そうでしたか」
「わしも連合の人間です」 
 老婆はドトールに笑って話した。
「ですから」
「学問は、ですね」
「貴族の遊びの学問には負けておりませんぞ」
「到底ですね」
「大衆の学問、ロマニものですな」
「貴女はロマニでしたか」 
 ドトールは今気づいた返事だったが実際にそうだった。
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