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第五十話 死守その十

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「待っていてね」
「ああ、戦いもいよいよ終わりだ」
 封真は仲間達の話を聞いてから述べた。
「是非聞かせてもらう」
「そうしてくれると嬉しいよ」 
 牙暁は目を閉じた招待で述べた、そして庚が来たのだった。 
 天の龍の者達は傷を負いながらも丁の前に集まった、そのうえで彼女の話を聞いた。
「この戦い確かに人間を護るか滅ぼすかの戦いですが」
「それでもか」
「地の龍が勝ち残っても滅びますが」
 神威に答えて話した。
「もう一人のわらわが残ってもです」
「滅びるか」
「もう一人のわらわはわらわが夢見の力を使う中で出て来ました」
 その生まれのことも話した。
「徐々に。そして別の人格を持ち」
「その人格はか」
「わらわとは真逆で」
「護るのではなくだな」
「滅ぼすことをです」
 そのことをというのだ。
「望んでいます」
「そして動いているわ」
「自分を五感のない身体で世に生まれ出させ」
 そうしてというのだ。
「この議事堂として夢見としてただ生きて」
「贄としているか」
「そうさせた世の全てを怨み憎み」
「滅ぼそうとしているか」
「この想いは日に日に強くなり」
 そうしてというのだ。
「今ではわらわも抑え難くなっています」
「では放っておけないですね」
 昴流はここまで聞いて丁に言った。
「すぐに何とかしましょう」
「そうですね、地の龍に勝つだけじゃなくて」
 護刃も真剣な顔で言った。
「もう一人の姫様も何とかしましょう」
「要するに倒せばええんやろ」  
 空汰は身体に痛みを堪えつつ話した。
「そうしたら世界は護られるわ」
「そうね、すぐにそうしましょう」 
 火煉は空汰の考えに賛成した。
「姫様が抑えれるうちに」
「神威だけじゃなくて私達も傷を回復させて」
 一刻も早くとだ、嵐は自身の心身の回復のことも考えて話した。
「そうしましょう」
「僕が行くよ」
 今も丁の傍にいる玳透が申し出た。
「それが人間ひいては丁様をお護りすることだから」
「俺もいるしな」 
 神威は言葉を前に出した。
「封真の前に何とかするか」
「ちょっと待って、今思ったけれど」
 だがここで小鳥が不安そうに言ってきた。
「もう一人の丁様なら」
「倒したらか」
「丁様も」
「はい、わらわは同じです」 
 丁は神威の言葉に応えようとした丁に告げた。
「合わせ鏡、魂は別れていても」
「同じですか」
「ですからもしもう一人のわらわが死ねば」
「丁様もですか」
「そうなります」
「ならどうすればいいんだ」
 神威は丁の居間の言葉を聞いて顔を顰めさせた。
「姫様を殺してしまうなら」
「殺して下さい」
 これが丁の返事だった。
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