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第五十話 死守その三

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「そして禍々しい」
「そうしたもんを感じるか」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「俺としてはだ」
「気にしてるんやな」
「警戒している」
 そうだというのだ。
「どうもな」
「そうなんか、わいはな」  
 空汰は考える顔で神威に応えた。
「おひいさんからは清らかなもんばかり感じてな」
「純粋にだな」
「めっちゃええ人やってな」
 その様にというのだ。
「感じてるけどな」
「俺も最近まではそうだった、純粋にな」
「おひいさんはええ人たってやな」
「思っていた、だがだ」
 今はというのだ。
「気のせいであればいいが」
「そうしたもんも感じるか」
「どうもな、あの人に何かあるのか」
「そのことがか」
「気になる」
「そうか、けど今はや」
 空汰は共に東京の様々な景観の中を跳び風の様に公園に向かっている昴流に対して強い声で話した。
「やっぱりや」
「そうしたことはだな」
「頭に留めておいて」
 それでもというのだ。
「わい等はな」
「嵐のところに行ってだ」
「何かあったらな」
「助けるぞ」
「そうしよな」
 公演を目指しつつ跳んで駆けた、そして。
 公園に着くといきなりだった。
「!?」
「何や!?」
 二人は一撃をかわした、そして着地してから攻撃してきた相手を見ると目の前にいたのは見知った者だった。
「嵐、馬鹿な」
「どういうことや」
「何故嵐が攻撃して来る」
「何があったんや」
「神威、どういうことだ」
 封真も場に来て言ってきた。
「いきなり地の龍だと言ってきてそこでお前達が来たらだ」
「俺達にか」
「今の様にしてきた、どういうことだ」
「嵐が地の龍だと」
 神威は封真のその言葉に眉を顰めさせて言った。
「馬鹿な、そんな筈がない」
「それまで俺と闘っていた」
 封真はこのことも話した。
「天の龍としてな」
「それがか」
「急にそう言ってきてだ」
 そうしてというのだ。
「今の通りだ」
「どないなってるんや」
 空汰も怪訝な顔になった、だが。
 ここでまた嵐の攻撃が来た、空汰はその一撃もかわして言った。
「本気やな」
「殺意に満ちているな」
「ああ、わいが相手でもか」
「地の龍なら天の龍は敵」
 嵐は表情のない声で言ってきた。
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