第八十五部第四章 メキシコの思惑その三十八
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「亭主は雑貨屋をです」
「そのお店をですか」
「やっていて」
それでというのだ。
「今もです」
「お店で頑張っておられますか」
「息子夫婦が店長ですが」
「それでもですか」
「まだ前店長として」
「それはお元気ですね」
「それで女の子を見ています」
実際にというのだ。
「そうしています」
「そうした方なので」
それでというのだ。
「どうでしょうか」
「言われてみますと」
「ご主人がお元気で」
「張り合いもです」
これもというのだ。
「あります」
「左様ですね」
「はい」
老婆はドトールのその言葉に答えた。
「確かに」
「そうですね」
「何といっても」
「ご主人が元気で」
「張り合いがあります」
「左様ですね」
「若し亭主が元気がないか」
若しくはというのだ。
「寝たきりなら」
「それならですね」
「張り合いがないです」
「左様ですね」
「考えてみれば」
実際にというのだ。
「どうにも」
「そうですね」
「ならむしろですか」
「女の子を見る」
そして声をかけるというのだ。
「それ位で、です」
「いいのですね」
「私はそう思います」
「そうですね、本当に」
「お婆さんのお顔も」
不平を語る様でというのだ。
「それがです」
「どうなっていますか」
「明るいです」
「そうですか」
「そのお顔を見れば」
それでというのだ。
「いいとです」
「思われましたか」
「はい」
そうだというのだ。
「かなり」
「ではわしはこのまま」
「そうしてご主人と過ごされると」
その様にすればというのだ。
「より長生き出来るかと」
「百歳を超えてですね」
連合の平均寿命である。
「さらに」
「はい」
「生きればいいですか」
「百歳を超えて」
そしてというのだ。
「さらにです」
「長生きですか」
「百十五歳を超えて」
さらにというのだ。
「百五十歳を超えても」
「さらにですね」
「生きて頂ければ」
それでというのだ。
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