暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十五部第四章 メキシコの思惑その三十七

[8]前話 [2]次話
「あって欲しくないですね」
「いい行動ですね」
「それだけにして欲しいです」
「そういうものですね」
「ですから」
 それでというのだ。
「困っています」
「大変ですね、お婆さんも」
「はい、わしはもうです」
 老婆は今度は自分のことを話した。
「そんな感情はないです」
「男の人を見る様な」
「女は三十路からといいますが」
 俗に三十を過ぎてから本当に奇麗になりかつ性欲も増すという、それに対して男の性欲は十代後半が最も強いという。
「しかしです」
「三十代のことで」
「九十にもなると」
 それこそというのだ。
「もう全くです」
「そういうものですか」
「しかし男の人、うちの亭主は」
「九十になっても」
「まだありまして」
 異性への関心がというのだ。
「それで、です」
「そういえば」
 ドトールはここでこう言った。
「百歳で子供を作った人も」
「若い奥さん相手にですね」
「愛人さんとだったかと」
「そうでしたか」
「そんな人もいましたね」
「それは凄いですね」
「私も流石に」
 ドトールはまだ五十代になったばかりだ、その彼から見るとだ。
「百歳になりますと」
「その時はですね」
「とてもです」
 それこそというのだ。
「子供をもうけるなぞ」
「想像出来ないですか」
「有り得ないこととです」
「思われていますか」
「はい」 
 そうだというのだ。
「とても」
「そうですか、ですが」
「男はですか」
「九十になっても」
 それでもというのだ。
「そういうものです」
「そうですか」
「そして」
 さらに言うのだった。
「百歳で、です」
「子供をもうけてもですね」
「あるかと」
「そうなのですね」
「そしてうちの亭主も」
 溜息を入れて話した。
「まだまだなのです」
「現役ですか」
「そうです」
「ですか、しかし」
「しかし?」
「どうもです」
 夫の女隙に悩む占い師の老婆にこう言った。
「ご主人に元気がないと」
「それならですか」
「張り合いがないのでは」
「言われますと。九十でもまだお店で頑張っていますし」
「お店をやっておられますか」
「私は占いをしていて」 
 そうしてというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ