【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
【第6節】背景設定9: 第15管理世界デヴォルザムについて。(後編)
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、シェブザのそれは31万キロメートルほどで、両者の公転周期は「1対2」の単純な整数比(9.9日弱と19.8日弱)になっており、会合周期は当然にシェブザの公転周期と一致しています。
しかし、両者の軌道面は互いに完全には一致していないので、夜空に二つの月がピッタリと重なって見えることはなかなかありません。
(それは、日蝕や月蝕と似たような頻度の現象です。)
また、おおよそ年に一回ぐらいは、夜空に「丸い姿」となった「マッガルとシェブザ」が仲よく並んでいるのが見えます。
また、シェブザの朔望周期(満ち欠けの周期)は20.92日で、これを「一か月」とすると、一年は「17か月半」というとても中途半端な数値になってしまうので、デヴォルザムでは古来、マッガルの朔望周期(10.17日)の方が暦の基準として用いられて来ました。
つまり、この周期の6倍がほぼ正確に61日になるので、『10日を「1旬」とし、6旬(60日)を「1季」とし、各季の最後に1日ずつ「余り日」を置いて61日にした上で、1年を大きく6季に分ける』という暦が用いられて来たのです。
(実際には、年末にも「余り日」が置かれるのは、四年に一度の閏年だけです。)
しかし、現在では、実際のマッガルの満ち欠けには関係なく、純粋な太陽暦として運用されています。
一年の起点は(シガルディスの暦と同様に)春分の日で、6季の名称はあえて直訳するならば、「播種季、雨季、暑季、収穫季、乾季、寒季」となります。
具体的な例を挙げると……惑星デヴォルザムでは、一般に夏至の日は春分の日の92日後なので……暦の上で「夏至の日」は毎年おおむね「雨季の第4旬の2日目」という日付になります。
しかし、これは正式な表現ではあっても、随分と堅苦しい言い方なので、日常会話ではもう少し簡単に「雨季の32日」と表現されることの方が多いようです。
なお、デヴォルザム共通語では、破裂音が音節末に来ることも大変に多いのですが、クレモナ標準語では本来、破裂音が音節末に来ることはあり得ないので、デヴォルザム共通語の固有名詞も、〈カロエスマール〉ではしばしば「クレモナ風に」訛って発音されます。
一般則としては、まず、原音で「促音」として発音されている場合は、「長音」に変化します。それ以外の場合では、音節末のP字やB字はm音で読まれ、同様にT字やD字はn音で読まれ、K字やG字は「二重母音の後続要素」としてのw音で読まれます。
結果として、シェブザ(小の月)は「シェムザ」と、マッガル(大の月)は「マーガル」と、ラグドゥム(太陽)は「ラウドゥム」と発音されます。
【漢字の「東」(原音は無気音のtong)が、日本の音読みでは、「トン」ではなく、訛って「とう」と読まれてしまうのと同じよ
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