暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
 【第6節】背景設定9: 第15管理世界デヴォルザムについて。(後編)
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子音の種類が少ない、母音優勢型の言語です。】

 また、惑星デヴォルザムはわずかながら自転軸の傾きが30度を超えてしまっているのですが、北緯60度線より北にはほとんど陸地が存在しないため、船で北極海に繰り出しでもしない限り、「白夜」を観ることはなかなかできません。
 なお、三つの大陸に囲まれた「広大な北極海」は、日付変更線の側で大きく南方に開かれているため、第二大陸の東側を北上する(地球で言う黒潮のような)強大な暖流がそのままに流れ込んでおり、冬場にも意外と「凍りにくい海」になっています。
 特に、カロエスマールの側では凍りにくく、モルセーラは「北極海航路における(観光と物流と漁業の)一大拠点」としても繁栄を遂げています。


 最後に、「二つの月」の話ですが……。
 実のところ、かつてのデヴォルザムにおける諸言語には、一般的に「月」を意味する「単語」が存在していませんでした。
(今ある単語は、本来「衛星」を意味する、ベルカ語起源の学術用語です。)
 観光用の「売り文句」としては、解りやすく「二つの月」と言っていますが、デヴォルザム人にとっては、「マッガル(大の月)」と「シェブザ(小の月)」は、あくまでも「別個の天体」だからです。
 例えば、地球のような「月が一つしかない世界」の言語には、一般に「太陽と月の二つだけ」をまとめて呼ぶ「単語」は存在しません。太陽と月は、あくまでも「別個の天体」なので、最初から別々の名前で呼んだ方が手っ取り早いからです。
 昔のデヴォルザムの諸言語に、「マッガル」と「シェブザ」だけをまとめて呼ぶ「単語」が存在していなかったのも、同じ理屈です。

【しかし、「月が二つある世界」では、こうした発想の方が普通なのだとすると……ミッドにおける〈最初の人々〉が(もと)いた世界には月が一つしか無かった、ということなのでしょうか。
(ミッドでは古来、二つの月は「赤の月」、「白の月」と呼び分けられており、デヴォルザムとは逆に、マッガルやシェブザのような「固有名称」は存在していませんでした。)】

 また、デヴォルザムの地表から見た「視半径」は、角度1度の六十分の一を「1分」とすると、マッガル(大の月)が20分弱もあるのに対して、シェブザ(小の月)はラグドゥム(太陽)と同様に16分弱しかありません。
 しかし、「実際の半径」はシェブザの方がだいぶ大きく、マッガルが1130キロメートルほどなのに対して、シェブザは1440キロメートルほどもあります。

【質量で言うと、マッガルが「地球の(ルナ)」の27.5%ほど、シェブザが同じく57%ほどなので、二倍以上もの開きがあります。ただ単に『シェブザの方が遠くにあるから、小さく見えている』だけなのです。】

 ちなみに、マッガルの軌道半径は20万キロメートル弱で
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