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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
 【第5節】背景設定9: 第15管理世界デヴォルザムについて。(前編)
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子音も二重母音も長母音も無く、その点だけはシガルディス標準語とも似ていますが、それ以外の点では、驚くほど共通点がありません。
 類型論としても、シガルディス標準語は屈折語で、語順もいわゆるSVO型で、形容詞は名詞の後ろに付くのですが、一方、デヴォルザム共通語は類型論としては膠着語で、語順もSOV型で、形容詞は名詞の前に付きます。
(つまり、実は、日本語と同じような類型(タイプ)の言語なのです。)】

 なお、「デヴォルザム」は、「神殿」が語り伝える古代神話における「大地母神」の名前です。
 彼等は、実際には、まだ他の大陸に上陸したことは一度もありませんでしたが、知識としては、この惑星に六つの大陸があることを知っていたので、それらの大陸に「大地母神の娘である、六柱の豊穣の女神たち」の名前を順番に割り振っていきました。
 今ではあまり使われない用語ですが、デヴォルザム共通語では、第一大陸を「ルグダムザ」と、第二大陸を「ナブゾルマ」と、第三大陸を「ベドリムガ」と呼びます。
【これらの神名は、日本人の耳には『女神の名前にしては、ゴツすぎる』ように聞こえるかも知れませんが、デヴォルザム人の耳には、無声音(清音)の方がむしろ「硬くてキツい音」に聞こえ、有声音(濁音)の方がむしろ「優しく柔らかい音」に聞こえるのです。
(実際、「血塗られた軍神」の名は、清音で「コプシャトゥム」と言います。)】


 また、デヴォルザムは幸運にも、歴史を(つう)じて『あからさまな天変地異や危険なロストロギアの暴走などによって「世界全体として」滅亡の危機に(ひん)した』という経験が一度もありません。
(今から900年ほど前には、〈号天〉の第七統一王朝が戦闘用の艦隊を組んで再び「ちょっかい」をかけて来たこともありましたが、その時には、たまたま軌道上にバレロス王国の戦闘艦が来ていたので簡単に追い払ってもらうことができました。)
 とは言っても、もちろん、その歴史は決して順風満帆(じゅんぷうまんぱん)なものではありませんでした。波乱の原因は、もっぱら「戦乱」と「気候変動」、さらには「異常気象による飢餓の発生」と「栄養不足による疫病の流行」です。

 そして、実際に、今から800年あまり前、再び「揺り戻し」のような次元震が起きて〈号天〉が完全に没落した際にも、その影響で、デヴォルザムでは十数年もの間、異常気象が続きました。
 大陸の各地で不作は常態化し、飢餓と疫病で総人口も減少し、貴族階級もまた「労働力の減少と税収の低下」に苦しめられます。
 また、その異常気象が一段落した頃には、ベルカでも「第二戦乱期」が始まり、それまで細々と続けられていた「ベルカのバレロス王国とデヴォルザム統一王国との交流」も完全に途絶してしまいました。
(しかも、そのバレロス王国は、「第二
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