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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
 【第5節】背景設定9: 第15管理世界デヴォルザムについて。(前編)
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っていたのですが。)
 ともに二重子音や二重母音に乏しく、使用される子音や母音の種類や数もおおむね一致しています。そこで、バムダイガル王は、神殿で使われている「線形文字」で、そのままケンセルヴァ語を表記することにしました。

 この「線形文字」は、地球で言う「楔形(くさびがた)文字」のような代物で、元々は象形文字でした。そのため、この文字体系は最後まで「完全な表音文字」ではなく、数字や基本名詞など、一部の文字は「表語文字」として使用され続けました。
 また、母音を(ともな)わずに「子音だけ」を表現できる文字は存在していません。
 一部には「母音」の1音だけを表わす文字もありますが、大半の文字は1字で「子音+母音」や「母音+子音」の2音を表現しているため、例えば「BAM」という1個の閉音節(子音で終わる音節)は、母音を揃えて「BA」音を表わす文字と「AM」音を表わす文字の2文字で表現されることになります。
【しかも、大半の(おん)に「同じ発音の文字」が複数あるため、どの文字を選んで使うかは、筆記者の裁量に任されています。】

 したがって、「バムダイガル」の綴りは「BA・AM・DA・I・GA・AR」の6文字となります。ケンセルヴァ語には二重母音のAIとAUがまだわずかながら残っていましたが、「神殿公用語」には二重母音というモノが全く無かったからです。
 神殿では、線形文字で二重母音を表現するため、じきに特定のDA字と特定のI字を合体させた「DAI」という「王名表記専用の文字」を新たに作り出したのですが、後に、この文字は(なま)って「デ」と発音されるようになってしまいました。
【前述のとおり、線形文字の体系には、万葉仮名と同じような感じで「同音異字」が大量に存在していたため、「特定の文字の発音が、別の文字と同じになってしまうこと」それ自体に関しては、特に誰も抵抗感は(おぼ)えなかったのです。】

 つまり、ケンセルヴァ語は、線形文字と神殿公用語に引きずられて、発音のあり方などが、少しばかり変わってしまったのでした。
 学問的に見れば、線形文字は決してケンセルヴァ語の表記に適した文字体系では無かったのですが、当時の「政治的判断」としては、それもまた仕方の無いところだったのでしょう。
(この問題は、後の時代にまた大きく取り上げられることになります。)

【ちなみに、「アドアグザブ」の綴りは、「AD・AG・ZA・AB」となりますが、この綴りを「アダグザブ」と読んではいけません。
(その発音ならば、綴りは「A・DA・AG・ZA・AB」になるはずだからです。)
『綴りの上でDとAが連続しているのに、それを「ダ」と読んではいけない』というのは、他の世界の(普通の表音文字を使っている)人々からすると、とても奇妙なルールに見えますが、
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