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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
 【第5節】背景設定9: 第15管理世界デヴォルザムについて。(前編)
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返して来た人々が「別の世界」という概念に触れて、まず考えたのは、『そこから再び侵略を受けた時には、一体どう対処すれば良いのか』ということでした。
 そして、得られた結論は、当然ながら『別の世界の「敵」に対抗するためには、事前に「この世界の諸勢力」を一つに束ねておく必要がある』というものでした。
 そのため、諸国の王たちは、みな「大陸の統一」を目標に(かか)げて、またさらなる戦いを続けたのです。

 しかし、今から1600年あまり前、いわゆる「次元世界大戦」の直前の時代には、局所的な次元震が〈号天〉を襲い、その影響はクレモナやデヴォルザムにも及びました。
(北方のラシティや南方のハドマンドにも、若干の影響があったようです。)
 幸いにも、デヴォルザムの側では「天変地異」と呼べるほどの大きな被害は出ませんでしたが、それでも、一連の気候変動と深刻な疫病によって文明は一旦(いったん)大きく後退してしまいました。
 そうした中で、すでに大陸規模の組織となっていた「神殿」の勢力は、各地で弱体化を余儀なくされ、諸国の王たちからは次第に「過去の遺物」と(さげす)まれるようになりながらも、(主として、宗教的な情熱に(もと)づいて)「四大河平原に由来する古い文化」を懸命に維持し続けたのでした。

 一方、ケンセルヴァ族は当初、遊牧と傭兵(ようへい)生業(なりわい)とする、氏族ごとにバラバラの粗野な騎馬民族集団でしたが、やがて某氏族の若き族長「バムダイガル」によって統一されると、「神殿」の勢力と手を結び、急速に文明化していきました。
 やがて、英雄バムダイガルは、とある古い王国を打ち倒してその都を占領すると、その地に「ケンセルヴァ王国」を樹立し、命乞いをする現地の貴族らに「貯め込んだ金銀」を吐き出させる形で、その王都に既存の王宮よりも立派な〈王都大神殿〉を建立(こんりゅう)させました。
 そして、今や名ばかりの存在となった「聖都」から、大神官「アドアグザブ十四世」を招聘(しょうへい)して自分に戴冠させた上で、みずから大神官の孫娘ジェドヴェルザと結婚しました。
 今から1200年あまり前のことです。

【なお、地理的には、「聖都」と「四大河平原」は、五角形をした大陸の南西側の(かど)(あた)りに、一方、ケンセルヴァ王国は、南東側の角からもう少し北に上がった辺りを西から東に向かって流れる某大河の下流域に位置しています。】

 また、当時のケンセルヴァ族は、まだ自分たちの言語を表記するための「文字」すら持っていなかったのですが、彼等の言語は偶然にも「神殿公用語」(古代の「四大河平原」における共通語)と比較して、「音韻の構成」だけは意外なほどよく似ていました。
(もちろん、言語としての系統関係は全く無いので、基礎語彙や文法規則などは全く異な
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