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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
 【第3節】新暦89年の9月以降の出来事。
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 ところで、八神提督はもう4年ちかくも前から、『御座艦(ござぶね)〈ヴォルフラム〉の改修に備えて、もう一隻、自分専用の艦が欲しい』と〈上層部〉に申請していた訳ですが……。
〈バルギオラ事変〉の早期解決に対する褒賞(ほうしょう)のつもりでしょうか。
管理局の〈上層部〉はこの年の9月になって、ようやく彼女の申請を許可し、「試験的に」建造された最新鋭の小型高速艦〈グラーネ〉を彼女に与えました。通常の150%の速度で巡航することができるという高性能艦です。
(あえて悪く言えば、「試しに造ってみたはいいが、いかにも『燃費』と『使い勝手』の悪そうな(ふね)」をはやてに押し付けました。)

 一方、ブラウロニアの「かつての従者たち」も、ミッドに帰化して管理局に入ってからは、みなそれぞれに次元航行船の乗組員になっていましたが、はやてたちの指導の(もと)に、今では全員が特定の技能や資格を身に付けていました。
 すべては、「この日のため」だったのです。
 はやては、今や直接の上司であるクロノ中将の了承の許に、しばらく〈ヴォルフラム〉の副長として経験を積ませていた「腹心の部下」ブラウロニア三佐(23歳)を、新たにこの〈グラーネ〉の艦長に任命しました。そして、彼女のかつての従者たちを、再び彼女の許へと呼び集めます。
 こうして、高度なステルス機能をも(あわ)せ持った漆黒の(ふね)〈グラーネ〉は、八神提督の密命に従って動く「特務艦」となったのでした。


 また、この9月から10月にかけて、はやては特務艦〈グラーネ〉の「ならし運転」を兼ねて、ブラウロニア艦長を始めとするコリンティア人の乗組員たちとともに幾つかの世界を()(めぐ)りました。
〈本局〉からまずはミッドに行き、地上でいろいろなモノを買い揃えてから、その次に立ち寄ったのはカルナージです。
 はやてはルーテシアに連絡を入れてから、〈グラーネ〉を軌道上に残したまま、ブラウロニアとともに転送でアルピーノ島に上陸し、続けて「ミッドで買って来た小型の貨物車両(軽トラ)」をも上陸させました。みずからその車両を運転して、そのまま二人でルーテシアの「秘密の別荘」を訪ねます。
 軽トラの積み荷は、もの凄い量の出産祝いでした。随分と遅くなってしまいましたが、ジークリンデの分も合わせて、三人分です。
 はやてが祝いの品々を車両ごとルーテシアたちに贈呈すると、ルーテシアは丁重に礼を言って、まずは二人を自分の別荘の中へと招き入れました。

 そこで、はやてはルーテシアとファビアとジークリンデに改めてブラウロニアを紹介し、それから、三人ははやてとブラウロニアに自分たちの子供を紹介しました。名前は、ジークリンデの娘がヴァルトラウテ・エレミア、ルーテシアの娘がクレオ・ディガルヴィ・アルピーノ、ファビア
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