【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
【第3節】新暦89年の9月以降の出来事。
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のことで、あれこれと思い悩むことは無いでしょう。今では大切な妻や子がいる身なのですから、トーマはもう過去にではなく、未来にこそ目を向けるべきなのです。
しかしながら、実は、ユーノにとっては、グレイン・サルヴァムの話はまだ「終わった話」ではありませんでした。
〈モグニドールの惨劇〉の「裏」に関する情報は、みな「特秘事項あつかい」なので、トーマには何も話せませんでしたが……。
もしもクロノの側から提示された情報が本当にすべて正しいのなら、『グレイン(ガルムス)は、スカリエッティが〈プロジェクトF〉を完成させる以前に(おそらく、それとは全く別系統の技術で)自分の「記憶継承クローン」を自分の妹に産ませていた』ということになります。
さらには、『本当に享年が95歳なら、グレイン(ガルムス)は、やはり前4年に起きた〈ディオステラの悲劇〉の直接の目撃者である』ということにもなります。
はやてから聞いた話では、あのジェイル・スカリエッティもかつて、グレイン・サルヴァムという人物に関して、推測まじりに『深刻な心的外傷による強烈なストレスを抱えていたのだろう』と語っていたそうですが……おそらくは、「わずか10歳で〈ディオステラの悲劇〉を目の当たりにしてしまったこと」それ自体が、グレインにとっては「深刻な心的外傷」の直接の原因だったのでしょう。
ユーノはそこで、思わずひとつ大きく溜め息をつきました。
(いよいよ、あの「悲劇」についても調べ直さなければならない、ということか……。)
もしもユーノの「悪い予感」が的中していれば、今からもう百年近くも前のことになるあの事件は、単に〈管13マグゼレナ〉だけの問題ではありません。下手をすれば、古代ベルカの歴史にも深く関わって来る問題であり、さらには管理局の将来にも暗い影を落としかねないほどの大問題なのです。
【以後、トーマは(ちらちらと顔を出したりはしますが)この作品の「主題」にはもう一切かかわって来ません。
また、〈ディオステラの悲劇〉が絡んで来る一連の問題に「最終的な決着」がつくのは、ずっと後の時代の話であり、残念ながら、それは「この作品の守備範囲」を大きく超えています。
そういう訳で……ここまで話を振っておいて今さらこれを言うのも、我ながらどうかとは思うのですが……この作品の中では、この〈ディオステラの悲劇〉に関する伏線は回収されませんので、悪しからず御了承ください。】
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