【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
【第3節】新暦89年の9月以降の出来事。
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『四年前の悪ガキ』が随分と出世したモンだなあ」
「地球の慣用句ですが、少しは、父親の『爪の垢』でも煎じて飲みましたか?」
「うっわ〜。ディードさん、相変わらず、キッツイな〜。(苦笑)」
「ところで、もう一方の悪ガキはどうしたよ? 今はもう、つるんでねえのか?」
「はい。『もう一人のカレル』とは、中卒後、進路が別々になってしまいまして」
やがて、その場にヴェロッサ(38歳)もやって来たのですが……そこで、ヴェロッサとカレルは妙に意気投合し、この日から、カレルはヴェロッサのことを「人生の師」と仰ぐようになったのでした。(笑)
なお、この10月下旬には、ニドルス・ラッカード提督の20回忌が、またひっそりと催されました。
そして、それと同じ頃、リエラ・ハラオウン(17歳)は演習で「思わぬ大失敗」を体験してしまいます。
それは、実際には「かなりゼロに近いが決してゼロではない『一定の確率』で、必ず起きてしまう全く避けようの無い事故」であり、必ずしも『彼女の指揮に何か問題があった』という訳ではなかったのですが、それでも、『将来を有望視されていた新人空士が一人、自分の目の前で墜落事故を起こし、再起不能に陥った』という事実は、彼女の繊細な心を打ちのめすには充分なものでした。
結局、彼女はこれが原因で「巨大な挫折感」に圧し潰され、この年の年末には空士隊を辞めてしまいました。あえて悪く言うならば、彼女は『部下の命を預かる』という「士官の責任」から逃げ出してしまったのです。
以後、彼女の人生は、見かねたヴィヴィオが手を差し伸べるまで、丸二年ほど迷走を続けたのでした。
【一方、カレル・ハラオウンと同期のゼオール・バウバロス(17歳)は、これと同じ頃、妹のマニエラやリミエナ(14歳)とともに、それぞれの試験に一発で合格し、翌90年の4月からは、ゼオールが18歳で執務官に、一卵性双生児の妹たちは15歳でその「現場担当補佐官」になりました。】
なお、この年の11月のことです。
トーマがユーノに調査を頼んでから、早や三年余。トーマ(23歳)は仕事に育児に大忙しの日々を送っていましたが、ユーノ(33歳)から不意に『内密の話があるから』と呼び出されて、休日に〈本局〉へ飛び、そのまま〈無限書庫〉の管理室に出頭したところ、ユーノの側からトーマに驚くべき情報がもたらされました。
さて、トーマの曽祖父母である「タルースとファリア」の兄は、「ガルムス・アヴェニール」という名前でしたが、アヴェニール兄妹が四人そろってスクライア一族から離籍した後、当時21歳のガルムスは、下の弟妹(タルース16歳とファリア13歳)を信頼のおける人物に預けて、上の妹ロミア(19歳)と二
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